カチッ 
 
『朝〜、朝だよ〜』 
「……う」 
『朝ご飯食べて学校行くよ〜』 
「……今日は休みでしょう……」 
 
 ごそごそ 
 
『朝〜、朝だ―― 
 
 ばしっ 
 
 スイッチを叩き切る。 
 あぅ……この起きがけの微睡み……しあわせぇ…… 
 
 ごそごそ 
 
 きもちい〜の〜 
 
 ごそ…… 
 
「祐一さん……朝、ですよ」 
 
 ごそ…… 
 
「ん〜……あきこさん……」 
「はい、なんでしょう?」 
「……きょうも、おうつくしくていらっしゃる……」 
「まぁ、そうですか?」 
「あなたのほほえみのまえには、いくおくのほしのかがやきすらみおとりしてしまう……」 
「……そんな……」 
「……あきこさん……わたしは……わたしは……」 
「……了承」 
「とても、ねむいのです……」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
月に叢雲、花に風 
     〜わたしに捧げる鎮魂歌〜 

断章ノ四・前 - junky - 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…………………………」 
「……もうすこしねさせてくださ――」 
「却下」 
「…………いつもよりも、はやいです……」 
「起きて下さい。じゃないと朝ご飯は無しです」 
「……それは、いや……」 
「なら起きて下さい」 
「…………きす……してくれたらおきます……」 
「…………ぶっ」 
「しないなら、おきません……」 
 そう言って再び布団を被り、微睡みに身を任せる。 
 ……んにぃ……きもちぃ〜〜の〜〜 
 ふわふわと夢現のままころころと布団で転がっていると、頬になにかが触れた。 
 きめ細やかな肌、柔らかな――秋子さんの手。 
 さわり、とわたしの頬を優しく撫でる。 
「……ぁぅ……あきこしゃん……」 
 秋子さんの暖かな手は、わたしの頬から首筋を妖しげな手つきで愛撫する。 
「…………きもちいいです…………」 
 くっ、と秋子さんの指先がわたしの顎をかるく上げる。 
 瞼に透ける朝日が翳ったかと思うと、ぎし、とベッドが軋んだ。 
「ん……?」 
「祐一さん……」 
 唇に柔らかな感触。 
「…………」 
「……もう一回」 
 秋子さんはそう言うと、再び唇を重ねる。 
 頬をくすぐる髪。 
 ふわりと、微かに香る。 
「……ん……は……」 
 ちらりと舌を出し、わたしの唇をなぞるように舐める。 
「…………」 
「……しましたよ? 起きて下さい」 
 徐々に意識が醒めてきた。 
 唇に残る、この感触は…… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「……な……なにをしたんですか……」 
 ぶわぁっと、顔が赤くなってくるのが自分でも分かる。 
「あら……言うまでもないと思いますよ?」 
 分かってます。 
 自分がなにを言ったかも覚えてます。 
 でも―― 
「ホントにやることはないでしょう……」 
「しないと起きないって言ったじゃないですか」 
「あれはっ、起きたくないという、遠回しな意思表示ですっ」 
「あら、そうだったんですか? 私はてっきり『おはようのキス』をしてもらいたかったのかと」 
 それはそれで良いですが。 
「うぅ……わたしの初ちっすが、実の叔母だなんて……」 
「……初モノでしたか」 
 言い方がいやらしい。 
「……責任取って下さい」 
「せ、責任?」 
「うぅ……汚されました……」 
 そう言って布団の中に潜り込んでしくしくとすすり泣く。 
「ぅ…………わかりました」 
「ほんとですかっ?」 
 がばっと起きあがり、秋子さんの方を振り返る。 
「ちょっとした冗談だったのに……」 
「それじゃ、今日一日はわたしに付き合って下さいね」 
「……一日ですか?」 
「まるまる」 
「……家事とかは……」 
「名雪に全て押しつけて下さい」 
「……流石にそれは無理では」 
「イチゴサンデー一週間分で動くと思いますよ?」 
「……うぅ……幾らかかるんでしょう……」 
 秋子さんの表情に暗い蔭。 
「さ、そうと決まれば早速起きてご飯を食べましょうっ」 
「しくしく……」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「遅いわ」 
「遅いです〜」 
 リビングに入るなりそう言われた。 
「……遅いかよ」 
 時計を見ると八時四十分を指している。 
 休みだというのに、このふたりはいつ起きてるんだ? 
「十分に早いぞ」 
「もっと早く起きなさいよね」 
「そうです〜」 
「なんでそんなことを言われにゃならんのだ」 
「時間が勿体ない」 
「休みなんですよ? いっぱい遊べるじゃないですかっ」 
 子供かよ…… 
「……とりあえず、飯食ってくる」 
「早くしなさいよ」 
「ちゃちゃっと食べて下さいね」 
 飯くらいゆっくり食わせろ…… 
「……秋子さん?」 
「……はい、出来てますよ……」 
 暗いなぁ…… 
「いただきます」 
 トーストをぱくりと囓る。 
 
 もごもご 
 
「名雪は起きましたか?」 
 
 もごもご 
 
「……いえ……いま、起こしますね……」 
「……秋子さん」 
「……なんでしょう?」 
 力無く微笑む。 
「……今度の休みに、秋子さんのお願いを一つだけ聞きますので、今回は我慢して下さい」 
「はい、ちょっと待ってて下さいね。すぐ、名雪起こしますから」 
 今までの態度が嘘のように明るくなる。 
「…………」 
 ふんふんと鼻歌でも出そうな勢いで二階に行く秋子さん。 
「……秋子さん、どうしたの? なんか、どよ〜〜ん、って感じだったのに、 
 いきなりスキップでもしそうなくらい明るくなったけど……」 
「……わからん、……そう言えば、昨日寝てるとき香里と栞の声が聞こえた気がするんだが」 
「…………………………気のせいじゃない?」 
「そのすさまじく長い間はなんだ?」 
「気のせいよ」 
「……そうか……」 
 気のせいねぇ…… 
 俺は残りのトーストを口に詰め込み、コーヒーで流し込む。 
「ごちそうさん」 
 カップと皿を流しに置き、リビングへ移動する。 
「あ、食べ終わったんですか? じゃ、遊びましょうっ」 
 いきなりか。 
「……まぁ、待て。今日は秋子さんも一緒だ」 
「……そうなんですか?」 
「たまには良いだろ」 
「……それで? 秋子さんも一緒で、なにをするの?」 
「そうだな……あ、そういや……」 
 俺はそう言うと玄関へ行き、箱と緑色のシートを手にリビングへ戻っていった。 
「なに、それ?」 
「これはな……」 
 シートをテーブルの上に敷き、箱の中身をその上に広げた。 
 じゃらじゃらという音と共に小さなブロック状の物体が散らばる。 
「……雀牌?」 
「そ、麻雀」 
 この前なにか無いかと物置を勝手に探していたら、これが出てきた。 
「うわ、初めて見ました。つるつるです、これ」 
 栞は牌をじゃらじゃら掻き回したり、手にとってじぃっと見たりしている。 
「というわけで、今日は麻雀をしようと思う」 
「……それはいいけど、あまりルールが分からないんだけど」 
「私は全く知りません」 
 だろうな。 
「しっかり教えるから、問題ない。秋子さんが名雪起こすのに時間かかるだろうから、 
 その間に憶えてもらう。……結構簡単だからすぐ憶えられるって」 
「そうですか? それじゃ、お願いします〜」 
 と、いうわけで、麻雀講習の始まりだ。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いいか? 始めるぞ〜」 
「は〜い、せんせ〜」 
「…………」 
 香里が呆れたような顔で栞を見る。 
 まぁ、香里が『はい……せんせい……』なんて言っても―― 
 ……いいな、かなり。 
「どうしたの?」 
「あ、いや、なんでもないぞ。……まずは、牌の読み方からな。 
 漢数字の一から九が書いてあるのは『萬子(ワンズ)』 
 丸いのが一から九個書いてあるのは『筒子(ピンズ)』 
 鳥みたいなのと、棒が二から九までのは『索子(ソウズ)』 
 数字の読み方は順に、イー、リャン、サン、スー、ウー、ロー、チー、パー、キュー。 
 一萬(イーワン)一筒(イーピン)一索(イーソウ)とか読む。 
 あとは字牌な、『(トン)』『(ナン)』『西(シャ)』『(ペー)』『(ハク)』『(ハツ)』『(チュン)』 
 方角を表すのは『風牌』、白發中を『三元牌』って言うんだ」 
 俺は紙に言ったことを書き写しながら説明する。 
「……祐一さん」 
「ん? 質問か?」 
「……字、すんごい綺麗ですね」 
「…………」 
 関係ねぇよ。 
「麻雀は基本的に――」 
「無視ですか?」 
「――基本的には四人で遊ぶものなんだ」 
「……無視ですか……」 
「四人でテーブルを囲んで、東を基準に時計の反対周りに南西北と座る。 
 ゲームの進行方向もそう。で、東は『親』それ以外は『子』と呼ぶ。 
 まずは座る場所だが……実際やりながらの方がいいな」 
「どうするの?」 
「初めは適当に」 
 そう言って俺達はテーブルを囲むように座る。 
「とりあえず俺のやってた所では、東南西北一枚ずつを裏返して混ぜて、それを取るんだ。 
 で、東が出たやつはそのまま、その左に北、右に南、正面は西って座るわけ」 
 俺は四枚の牌を取り出してかちゃかちゃと混ぜる。 
「ほれ、取ってみ」 
 裏返した四枚を並べて栞と香里に選ばせる。 
「東です。親ですねっ」 
「私は西よ」 
「俺は南。んじゃ、栞の右に俺。正面に香里。 
 次は……と、その前に牌を積むか」 
「積み込みですねっ」 
「積む前にこう、よく牌を混ぜるわけだ」 
「……また無視ですか……」 
「これを『洗牌(シーパイ)』って言うんだが……まぁ、これは憶えなくてもいいな」 
 香里は丁寧に、栞はぐすぐすと言いながら牌をかき混ぜる。 
「で、混ぜたら今度は十七枚二列を自分の前に裏返して並べる。 
 このシート、手前に出っ張りあるだろ? そこに牌を並べていくんだ」 
「なるほどです。なんでこれがあるのか気になってたんですが、そうだったんですか」 
「そゆこと、そこに並べると綺麗に牌が積めるわけ……こんな風にな」 
 俺は並べた牌を押しだし、手前の列を少し引く。 
 そしてすっと、奥の牌の上に重ねる。 
「お〜、かっこいいです〜」 
「難しそうなんだけど……」 
「コツさえ掴めば簡単だよ。小指で端を押さえるだろ? 
 そしたら人差し指と親指の位置にある牌を掴む。 
 ちょっと力を入れるだけで、その部分は持ち上がるだろ?」 
 そう言って両端から五枚ずつを持ってみせる。 
「……できましたっ。ほらほら、お姉ちゃん、出来ましたよっ」 
「はしゃがないの……あ、出来たわ……」 
 栞に注意しながらも、少し嬉しそうだ。 
「そのままで、今度はそれで残った牌を挟んで持ち上げると……」 
「おぉっ、浮いてますっ」 
「…………なるほどね。確かに、コツを掴めば簡単に持ち上がるわね」 
 香里も積めるようになったようだ。 
「あ、お姉ちゃんも……うぬぬ……私も……」 
「あ、そんなに力むと――」 
 かしゃっ 
「あ〜〜〜っ」 
 思った通り、牌が弾かれあちこちに散らばる。 
「……うぅ……失敗です……」 
「軽く挟むだけでいいんだよ。力み過ぎると今みたいになるからな」 
「はいです……」 
 アドバイスした通りにさせると簡単に成功する。 
「祐一さん、教え方うまいですね〜」 
「そうね、結構分かりやすいわね」 
「そうか? んじゃ戻るぞ。今度は親決めだ」 
「えっ? 私が親じゃないんですか?」 
「あれは席決めだよ。ここからが本番。 
 俺のやってたルールだと、東のひと――今は栞を仮親として、 
 ちゃんとした親を決めるんだ。栞、そのサイコロ振ってみ」 
「……この二つですか?」 
「そう、麻雀は二つの目を足した数で色々決まるんだ。 
 自分を1として、時計と反対方向に2、3、4、5……となるわけ」 
 ととん、と厚いシートの上をサイコロが転がる。 
 出た目は4と3。 
「7だな。つまり正面の香里が親。香里、サイコロ振って」 
「これでなにを決まるわけ?」 
「どこの山から牌を取ってくるか」 
「そうなの……また7ね」 
「まぁ、確率論的に7前後が出やすいんだけどな。 
 で、7が出たから栞の山の右から七つめを分ける。 
 これが10とか4のときは、出た目のところで分けるんだ。 
 その右側の七つまでを『王牌(ワンパイ)』と言う。 
 多かったり、少なかったときは七つに合わせる。 
 この王牌の左から三番目をめくって表示」 
 ちゃ、と指で回転させる。 
「これの次の牌が『ドラ』だ。リーチした場合は『裏ドラ』といって、この裏の牌もドラになる」 
「次の牌?」 
「このドラ表示牌が五萬だろ? だから六萬がドラになるんだ」 
「え〜と、そのドラ表示牌が字牌の場合はどうなるんですか?」 
「その場合は『東南西北』『白發中』の順で数えるんだ」 
「表示牌が『南』『白』なら、ドラは『西』『發』という事ね」 
「そゆこと」 
「なるほど〜」 
「続けるぞ。分けた左側からが配る牌だ。栞、四枚まとめて取って自分の前に裏返しのまま並べて」 
「は〜い」 
「次は俺、次は香里、と取っていく。 
 ――で、三回繰り返したら親のひとは一枚取って、一個飛ばしてもう一枚取る」 
「それはなんでですか?」 
「親は一番始めにツモるから、その手間を省くのに配牌の時に取るんだ。 
 子は一枚だけを取る。……まぁ、今は三人だからずれるけど」 
「秋子さんまだかな〜」 
「もう来るだろ。あとは親が一枚捨てて、次が一枚取って一枚捨てる。 
 その繰り返しで役を完成させる。細かいルールはやりながら憶えるとして…… 
 一番大切な、『役』を教えるか」 
「国士無双っ」 
「基本的には三枚を四組、二枚を一組――これは雀頭(ジャントウ)――の十四枚で完成」 
「無視ですか……」 
「三枚の組は連続した数字・順子(シュンツ)か同じ牌・刻子(コーツ)で、雀頭は同じ牌を二枚で作るんだ」 
「栞、へこんでないでちゃんと聞きなさいよ」 
「……は〜い」 
「その組み合わせに役が付いていれば『和了(アガリ)』」 
 俺はある分だけの役の作り方を紙に書く。 
「こんなもんだろ。二十分で憶えるんだ」 
「えぅ……多すぎますよ〜」 
「……二十分で?」 
「規則さえ分かれば二十分で大体憶えられるって」 
「……あ、ほんとね……結構簡単」 
「……よく見れば、そうですね……これなら憶えられるかも」 
「だろ? ルールとか役が分からないとか言うけど、やってみれば簡単なもんなんだよ」 
「もっと難しいゲームかと思ったけど、そうみたいね……」 
「早くやってみましょうよ〜」 
「まだ秋子さんが来てないだろ。待てっての。 
 その間に役の練習だ。王牌以外の山崩して、適当に役作ってみろ。例えば――」 
 
     
 
「これはなんだ?」 
「え〜と……」 
「平和ね」 
「えぅ……あっ、ドラもありますっ」 
「そう、平和、ドラ1。これがリーチなら裏ドラをめくる。 
 裏は……お、ついてるな。これでリーチ、平和、ドラ2の4飜。一発もつけば5飜」 
「え〜と……これはどうでしょうか?」 
 
     
 
「清一色。通称チンイツ。6飜だけど鳴けば5飜」 
「……鳴く?」 
 あ、説明してなかったか。 
「え〜とだな……他のひとの捨てた牌が自分の欲しい牌の場合、それを貰えるんだ。 
 これを鳴くって言うんだが……『ポン』『チー』『カン』の三つだ。 
 ポンは同じ牌三つ、チーは数牌の続きの牌三つ、カンは同じ牌四つで作る」 
「好きなときにいいのかしら?」 
「いや、ポン、カンは誰からでもいいけど、チーは自分の左手からしか出来ない。 
 あ、他家(タチャ)から鳴くとリーチは出来なくなるからな」 
「他家?」 
「自分以外のひとのこと。それと左手を上家(カミチャ)、右手を下家(シモチャ)、正面を対面(トイメン)という」 
「お姉ちゃんが対面で、祐一さんが下家ですね?」 
「栞から見ればそうだ。あとは……点計算か。 
 これが一番面倒なんだよな。これは――」 
 俺はもう一枚紙を取り出し、符と得点の一覧表を書く。 
 ……結構な量だな。 
「ふんふん……ということはさっきの祐一さんの平和は5飜、8000点ですね。 
 リーチ、一発なしだと……30符3飜、3900点ですか」 
 飲み込みの早い…… 
「こういうのがあると分かりやすいわね」 
「さ、これで大体の説明は終了だな。細かいことは気にしないでいい。 
 説明しきれてないところもあるし。遊びだからな、気楽に楽しめばいいんだ」 
「そうですね、楽しめればいいですよね」 
「あらあら、みなさん楽しそうですね」 
 と、そこに秋子さんがやってきた。 
「名雪は起きました?」 
「えぇ、今は着替えているところですね。 
 とりあえず私の仕事は一通り終わらせておきました。 
 あとは名雪に任せればいいんでしょうか……?」 
「了解は取りました?」 
「取りましたよ、なんかすごく喜んでました」 
 だろうな。 
「……どういう事なの? 名雪も一緒にすると思ってたんだけど」 
「あぁ、今日は秋子さんの代わりに名雪が家事全部やって、秋子さんは俺に付き合う約束なんだ」 
「……それはまた、どうして?」 
「ん? 今日起きがけに秋子さ――」 
「ゆ、祐一さんっ」 
「……たまにはいいかなと思ってな」 
「……そう」 
 釈然としない表情で香里は頷く。 
「それはそうと、麻雀牌ですね……」 
「今日はこれです。もちろん、秋子さんもですよ?」 
「分かりました。今日一日付き合うと言いましたし、やりましょうか」 
 よし、これで面子は揃ったな。 
「ルールとかは大丈夫ですか?」 
「まぁ、大体は。あまり細かいことにはこだわらないで遊びましょう」 
「そうですね。それじゃぁ、始めますか?」 
「やっと出来ます〜」 
 こうして、俺の危機一髪的一日は始まった。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 東一局 
 東 栞 25000 
 南 秋子さん 25000 
 西 香里 25000 
 北 俺 25000 
 ドラ表示牌  
 
 さて……配牌は…… 
 
 
 
 うお、いきなりドラ3。 
 ん〜、とりあえずあがればドラで結構いくかな。 
 ぺちぺちと牌を捨てていく。 
「それ、ぽん」 
 香里が俺の捨てた四索を鳴く。 
「あ、それもポン」 
 今度は栞の一索を鳴く。 
「えぅ……」 
 何巡かするといい感じに牌がまとまってくる。 
 むむむっ 
 
 
 
 發を捨てる。これでテンパイだ。 
 はっはっは。 
「それ、ロンです、祐一さん」 
「ぐはっ……」 
 あっさりあたった。 
「てか、リーチしてください、秋子さん……」 
「ひとそれぞれですよ。三色同順・發、40符3飜・7700です」 
「うぬぬ……」 
 
 
 
 
 東四局 
 東 俺 8400 
 南 栞 17500 
 西 秋子さん 43500 
 北 香里 30600 
 ドラ表示牌  
 
 ぐあ……東場すら終わってないのに10000きってるよ…… 
 なんとかここで挽回せねば。 
 
 
 
 たまに自分の強運が怖い。 
 これならいけるだろ。 
 狙えそうなのは……ホンイツ、三暗刻、チャンタ辺りか。 
 今回はホンイツでいいか。 
 まず邪魔な一索を捨てる。 
 たん、たん、とリズムを刻むように次々と(ホウ)(捨て牌を置くところ)に置かれる牌。 
「それポン」 
 香里はどうも鳴く傾向にある。 
 初心者はそれでいいんだけど、点数が減っていくんだよな。 
「えぅ……」 
 しかも栞に集中攻撃。 
「……イジメか」 
「違うわよっ」 
 む……九萬か。 
「ゆういちさ〜ん、お姉ちゃんが私ばっかりから〜」 
 となると、四萬、五萬捨てて一盃口狙うか。 
 無茶すれば四暗刻いけるけど、流石にそこまではいかないな…… 
「……まぁ、仕方ないと思っとけ」 
 あ、八萬が捨てられた……あと三枚だな…… 
「ポン」 
「えぅっ、またっ」 
 このつるつるとした手応え……白か。 
 カンしとくか。 
「カンです。さて、嶺上(リンシャン)は……」 
 おぉ、八萬だ。 
「リーチっ」 
「えぅっ、こっちはリーチです〜」 
 
  
 
 ようやく反撃開始だ。 
 来いっ、頼むから―― 
「あ、それロンです〜〜。平和のみ1000点〜」 
「あら、残念」 
 …………ぐはっ 
 俺はドサリとテーブルに突っ伏す。 
「……たのむから、もう少しいい役作れ……」 
「いいじゃないですか、あがれれば。あ、祐一さんもしかして大きかったんですか?」 
「でかいよっ、ああでかいさっ、くそ……ようやく挽回出来ると思ったのに……」 
「勝負は時の運、と言いますし……」 
 ぐぞ〜〜 
「次こそ挽回してやる……今のところ秋子さんがトップですね」 
「……手加減はしませんよ?」 
 
 
 
 
 南一局 
 東 栞 18500 
 南 秋子さん 42500 
 西 香里 30600 
 北 俺 8400 
 ドラ表示牌  
 
 
 
 …………どうしろと。 
 あぁ、なに? 
 まさかあれやれとでも? 
 ……てか、もうそれしかないって感じ。 
 ……漢には越えねばならぬ壁があるという。 
 ならば越えて見せようぞっ 
  
「ポン」 
「えぅっ」 
 香里は相変わらず鳴きまくり。 
「…………」 
 俺は無言でツモを繰り返す。 
「ポン」 
「えぅっ」 
運がいいのか悪いのか、どんどんと手が進んでいく。 
 
 
 
 い、い、い、いよっしゃ〜〜〜 
 きたきたきたぁ〜〜〜 
 国士無双・十三面待ちっ 
 ダブル役満んんんん〜〜〜 
 すげぇ運。 
 あぁ、笑いが止まらねぇ〜〜 
「……祐一さん、来ましたね」 
「来ましたよ、秋子さん。俺は越えました」 
 八索を捨てる。 
「……そうですか。それ、ロンです」 
「またかよっ!」 
「緑一色、32000です」 
「しかも役満かよっ、てか、トビだつ〜の〜〜〜」 
 なんつー半端な強運だよ…… 
 どうせならきっちり最後まで持たせてくれ…… 
「あぁ〜、もう泣きて〜」 
「あの……」 
「……うぅ……どうしたんだ、栞?」 
「え〜と、私もあたりなんですけど……」 
「マジでかっ、うぁ……助かった……」 
「頭ハネですか、残念です」 
「頭ハネ……ってなんですか?」 
「ロンはツモ順が早いほうに優先権があるんだよ。 
 秋子さんより栞のほうが早いから、栞のロンだけに俺は点棒を払うわけ」 
 詳しく言うと『上家取り』といって、上家のほうに優先権があるんだ。 
 秋子さんがロンをしたけど、秋子さんの上家、つまり栞もロンを宣言したからそっちが優先される。 
「そうなんですか」 
「そうなの。で、いくらだ?」 
「え〜と……一気通貫・南で40符3飜・7700です」 
「……ぎりじゃん……」 
 残り700かよ……リーチ出来ないぞ…… 
「首の皮一枚って、こういうことを言うんだろうな」 
「つながってるだけマシでしょ」 
 ……そうも思えない。 
 リーチ無しと言うことは、ドラも無ければ一発も無し。 
 ……配牌に期待するしかないって…… 
「……まぁ、まだ生きてるってことには変わりはないか」 
「それじゃ、続けますね〜」 
 
 
 
 
 南一局・一本場 
 東 栞 26200 
 南 秋子さん 42500 
 西 香里 30600 
 北 俺 700 
 ドラ表示牌  
 
 頼むぞ…… 
 
 
 
 ぐ……あんまり良くない。 
 狙えそうなのは平和・三色同順くらいか…… 
 後はヤオ九牌きって断ヤオ……それだと手が遅れるかな。 
 とりあえずあがることを考えるか。 
 白を捨てる。 
「ポン」 
 香里の鳴き。 
 そして五索を河に捨てる。 
「チーだな」 
 
  
 
 これで後必要な牌は三萬、三筒、八筒の三つか…… 
 三巡ほどするが、なかなか手が変わらない。 
「ポン」 
「えぅっ」 
 相変わらずな栞イジメ。 
「ゆういちさ〜ん」 
「どうしようもないだろ。鳴かれるのがイヤなら他のを捨てろ」 
「分かってますけど、分からないんです〜」 
 三萬をツモる。 
「なら、手を読むんだな」 
 打・南 
「……どうやって読むんですか?」 
「捨て牌からなにを作ろうとしているのか推理するんだよ。 
 香里の場合、殆どポン。それも同じ数牌と字牌だ。 
 捨て牌には鳴いた種類の牌が極端に少ない。 
 これでかなり絞られる。ホンイツ、トイトイ、三暗刻…… 
 他にもあるけど簡単なのはこんなもんだ」 
「……言わないでよね、相沢君」 
「いいんですっ、お姉ちゃんが悪いんですっ」 
 ツモ・發 
「……なら手を変えるわ。秋子さん、その三索チーです」 
「えぅっ、萬子じゃありませんっ。ど、どうするんですか、祐一さんっ」 
 打・二索 
「……三色同順、チャンタ……さらに絞れるぞ」 
「く……」 
「と言うことは真ん中の牌をきってればいいんですねっ」 
「鳴いてるからリーチも出来ないからな。役作らないとあがれないし」 
 ツモ・二索 
「…………」 
 打・二索 
 香里が凄い形相で睨んでくる。 
「あとでみてなさいよ……」 
「あらあら」 
 ちなみに秋子さんは全局役満狙い。 
 しかもかなり出来上がっている。 
 
  
 
 これで發か一萬が出れば…… 
 お、發ゲットっ 
 打・九筒でテンパイ、と。 
 あとは待つだけだな…… 
「……テンパイ……ですね、祐一さん」 
「ギク……」 
 そうだ、いつもここで秋子さんにあたるんだよ…… 
 …………役満っ!? 
 まままさかな…… 
「言ってみただけです」 
 ……そうですか。 
 めちゃめちゃビビリますのでやめてください。 
「あ、ツモです」 
「なにぃっ」 
 親のツモかよっ 
「ツモのみ500オールです。あ、一本場ですので600ですね」 
「……いや、いいんだけどさ。なんだかな……」 
 奇跡みたいな100点残し。 
 運がいいのか悪いのか…… 
 
 
 
 
 南一局・二本場 
 東 栞 26800 
 南 秋子さん 42500 
 西 香里 30600 
 北 俺 100 
 ドラ表示牌  
 
 
 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 南のみで行くか…… 
 とりあえずリーチ棒獲得だな。 
 打・二筒 
「……これは要りませんね」 
 栞が早速南を放出。 
「ポンだ」 
「えぅっ」 
 打・東 
「その二索もポンだ」 
「えぅっ、二回連続でっ」 
 打・一索 
「今回はずいぶんと早い鳴きね、相沢君」 
「当たり前だ。もう他家のツモすら許されない状況だからな。とにかくあがって少しでも稼ぐ」 
「……させないわよ」 
 さっきのことを根に持っているようだ。 
「負けないね。あ、香里、その二萬チーな」 
「……く」 
 打・五筒 
「あらあら」 
 秋子さんはいつものようににこにこしながら牌をきる。 
 ……秋子さんの河には字牌が対子で捨ててあり、老頭牌が全くない。 
 そして一索を鳴いた。 
 ……清老頭……役満ですか…… 
 相変わらずですね。 
「あ、香里ちゃん、その九筒ポンです」 
 ツモ・九萬 
 ぐあ……きれねぇよ。 
 打・九筒 
「祐一さんも持ってたんですね?」 
 今はその笑顔が悪魔の微笑みに見えます。 
「ポン」 
「えぅっ」 
 栞も相変わらず香里にアシストをしている。 
 教えたろ、さっき。 
 ツモ・七萬 
 おし、テンパイ。 
 
    
 
 手が早い早い。 
 打・四萬 
「ポン」 
 香里が慣れた手つきで卓の端に牌を揃える。 
 美貌の鳴き雀士って感じ。 
 そして一筒をきる。 
 ……ダメだって、それは。 
「ポン」 
 ……秋子さんの待ってる牌だろ…… 
 秋子さんの口の端がにやりとしたのは気のせいだな。 
 ツモ・四萬 
 ぐはっ 
 河に二枚と俺が鳴いてるから来ないと思ったのに…… 
 打・四萬 
 くそ。 
「……リーチですっ」 
 栞が捨て牌を横にし、リーチ棒を卓に出そうとする。 
「栞、リーチ棒は要らない」 
「え? リーチしたんですからこれは――」 
「――ロン。南のみ二本場1600て〜〜んっ。よっしゃ〜〜」 
 言ってみたかったんだよな、リーチ棒は要らない。 
 新庄さ〜〜んっ 
 ……こほん。 
「えぅ〜〜〜〜」 
「はっはっは、悪いね」 
「あらあら」 
 
 
 
 
 南二局 
 東 秋子さん 42500 
 南 香里 30600 
 西 俺 1700 
 北 栞 25200 
 ドラ表示牌  
 
 八巡目にしてテンパイが入る。 
 
 
 
 打・中 
「リーチだ」 
「早いです〜」 
「え〜い、うるさいっ」 
「えぅっ……これは通りますか?」 
 栞の捨て牌は六萬。 
「……通しだ」 
「これはどうですか?」 
 秋子さんは七筒。 
 今回の秋子さんの手は多分国士だな…… 
「……これは?」 
 香里が出したのは俺の待っている牌、九筒だ。 
「はっはっは、あたりだ。リーピン一発純チャン……裏ドラ3の倍満16000て〜んっ」 
「え、そんなに……」 
「すまんな〜、香里。現場復帰の足場にさせてもらったぞ」 
「……絶対潰す……」 
 
 
 
 
 南三局 
 東 香里 14600 
 南 俺 17700 
 西 栞 25200 
 北 秋子さん 42500 
 ドラ表示牌  
 
「ツモっ、ホンロウトイトイ三暗刻白、6000・3000〜」 
「……また……」 
「えぅっ〜、祐一さん強いです〜」 
「ずいぶん調子いいみたいですね」 
「はっはっは、もう俺を止める者はいないぞ〜」 
 
 
 
 
 南四局 
 東 俺 29700 
 南 栞 22200 
 西 秋子さん 39500 
 北 香里 8600 
 ドラ表示牌  
 
 
 
「なんかさっきと立場逆転だな、香里」 
「この……」 
 打・南 
「後は秋子さんですね」 
「あら、負けませんよ?」 
 ツモ・白 
「俺も負けません」 
 打・一萬 
「それ、ポンよ」 
 香里が鳴いて五筒を捨てる。  
「今度はどんな手だ?」 
「相沢君を沈める手よっ」 
 ツモ・五索 
 打・中 
「それはそれは……ま、がんばれ」 
「むっかつく……」 
「お、お姉ちゃんも祐一さんも……」 
「その中、ポンです」 
 秋子さんは、ちゃ、と卓の端に中を揃える。 
「秋子さん、それポンです」 
 今度は香里が秋子さんの捨てた東を鳴く。 
「絶対潰してあげるわ……」 
 怖いよ…… 
「あらあら」 
 ツモ・四索 
 打・六索 
「えぅ……なんか火花散ってます……」 
「栞ちゃん、それポン」 
 栞の北を鳴く。 
  
 その後五巡程でテンパイ。 
「さてさて、そろそろだな」 
 
 
 
「えぅっ……リーチですか?」 
「そうだな……これでリーチっ。あたれば秋子さんまくってトップじゃ〜」 
 白を横にし、宣言してリーチ棒を卓に出す。 
「あらあら、そうもいきませんよ」 
 ぱたぱたと牌を倒す秋子さん。 
「え……」 
 ここに来てまたですか…… 
「大三元――」 
「なんですと〜」 
「――字一色、ダブル役満です」 
 
 …………………ぐはっ 
 
「……参りました……」 
「秋子さんすごいです〜〜」 
「……ホントに」 
「もう少し頑張れば四暗刻もついたんですけどね」 
 つけないでください…… 
「相沢君、あっさりトんじゃったわね?」 
「くそ〜〜〜」 
「あらあら、さっきまでの威勢はどこへ行ったのかしら?」 
「お姉ちゃん性格悪……」 
「なんですって?」 
「えぅっ、なななんでもないですっ」 
 ぬぬぬ…… 
 このまま負けっぱなしというのはいかん…… 
「…………リベンジです、秋子さんっ」 
「受けて立ちましょう」 
 ざぱ〜ん、と背景に波でも出そうな勢いだ。 
「おぉ〜」 
「……私もリベンジよ。相沢君、今度こそペッタンコに潰してあげるわっ」 
「……おぉ〜……」 
 香里はどちらかというと私怨だな。 
 でも何故だろう。 
 ペッタンコと言う言葉にココロがえぐられるのは。 
「……そういえば、あれですね」 
「なにがあれなんだ、栞?」 
「いえ、麻雀ってよく賭とかあるじゃないですか」 
「……あるな」 
「どうせなら何か賭けませんか?」 
「いいわね、それ」 
 反応早いな、香里。 
「まぁ、そのほうが燃えるし、面白そうだが……」 
「お金はダメですよ?」 
「そ、他のならいいけどな」 
「……う〜ん、なにがいいでしょう……」 
「一日奴隷とか」 
「あ、いいですね〜。祐一さんを女装させてメイドさんとか」 
 趣味全開かよ。 
「……それもいいわね」 
 香里もか。 
「オプションに首輪と猫耳で」 
「……私は猫耳より垂れたうさ耳」 
「えぅ〜、お姉ちゃん通ですね〜」 
 お前ら、会話がおかしぞ? 
「あらあら、若いわねぇ」 
「……秋子さん、なんだか目が輝いて見えるんですが」 
「面白そうじゃないですか」 
「負けたやつは面白くありません」 
「それが賭博というものです」 
 それはそうですが。 
「というか、あからさまに俺狙いなのは気のせいじゃないはずです」 
「まぁ、それが一番面白そうですし」 
「おれは生命の危機すら感じます」 
「大丈夫ですよ」 
「具体的にどう大丈夫なのかが知りたいです」 
「壊れたオモチャではもう遊べないでしょう?」 
 ……めちゃめちゃ怖い例えです…… 
 美坂姉妹はメイド服はフリルがどうの、エプロンドレスがどうの、やっぱ和服に割烹着がどうの、 
 ご主人様がいいだとか、香里様がいいだとか、お嬢様がいいだとか、もしくはおねぇさま? 
 メイドと言えばご奉仕ですよね、恥じらいつつのね、そうですよね〜 
 ……俺には分からない高等言語でなにかを討議している。 
「……なぜか貞操の危機も感じます」 
「貞操帯でもつけますか?」 
「そういう問題ではなく」 
「無い方がいいんですか?」 
「いえ、そう言うことでもなく」 
「……何をしたいんですか?」 
「俺には秋子さん達の考えてることが分かりませんよ……」 
 俺は大きくため息をつく。 
 どういう思考回路してるんだ…… 
「と、いうわけでエプロンドレスにオプションで首輪うさ耳白のニーソックス、甘えた声で〜様を希望」 
「なにが、というわけで、だっ」 
「……何が不満なんですか」 
「全部だ全部っ」 
「わがまま言わないでよね、相沢君」 
「わがままかっ? わがままなのかっ?」 
「香里ちゃん、栞ちゃん、あまり無理は言わないでね?」 
「……仕方ないわね、秋子さんが言うのなら他のにしましょう」 
「えぅ……祐一さんメイドさんが……」 
 祐一さんメイドさんてなんだよ…… 
「……助かりました、秋子さん」 
「いえ、さすがに祐一さんが可哀想ですしね」 
「……ありがとうございます」 
 対局中悪魔だとか思ったことを許してください…… 
 貴女は女神です〜〜 
「あ、ならあれですっ。脱衣麻雀っ」 
了承っっっ」 
「アホか〜〜〜〜〜〜〜〜」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いちごさんで〜、いっちっご〜さっんっで〜、ふんふふ〜ん…ふん…ふん…… 
 いちご〜……さ〜んで〜……さんで〜……なんでわたしこんなことしてるのかなぁ…… 
 ……たのしそうだなぁ……祐一たち…………ううん、わたしにはイチゴサンデーがあるっ 
 ふぁいと……だ……よ………わたし……」 
「うぐっ……なんで名雪さん泣きながら洗濯物干してるの……?」 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
あとがき 
 
麻雀ネタ 
めちゃめちゃ異色作 
わっかるかな〜? 
わっかりづれぇな〜、これ…… 
ごめん 
私はド素人ですので間違いがあるかもしれません 
見逃してください……あぁ、しかも終わってない…… 
断章が前後編に 
次は、あれです 
脱衣麻雀 
ジャンルとしてはどうなんでしょう…… 
個人的には好き、響きが 
あと、今回タグ<RUBY>使いまくってます 
対応したブラウザじゃないと見え方が変です 
 
 
 
次回予告 
 
祐一に忍び寄る魔の手 
次々に襲いかかる刺客 
「失礼、その白ロンです。大三元、役満――」 
「ボクには奇跡が起こせるんだよっ、純正九連宝燈・ダブル役満っ」 
「あはは〜佐祐理はちょっと頭の悪い雀鬼ですから〜。幻の役満・四槓子ですよ〜」 
「私は運を奪う者……天和、大四喜・64000。……祐一、脱げ……じゅる」 
 
嘘です 
 
#27日修正 
何故か秋子さんの緑一色が48000になってました…… 
ふしぎ 
 

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