桜が風に舞う。 
 春の訪れを感じずにはいられない。 
 寒さは幾分和らぎ、コートが無くとも過せる陽気だ。 
 
「ん〜……俺のクラスは……」 
 
 今日は始業式。 
 クラス分けの発表があるのだっ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
月に叢雲、花に風 
     〜わたしに捧げる鎮魂歌〜 

五章 - new world! new life! - 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「なゆき〜はやくしろ〜。初っ端から遅刻はイヤすぎだぞ〜」 
「わかってるよ〜」 
 分かってなさそうだ。 
「先行くぞ」 
「わ、待ってよ〜」 
「待てん」 
「す、すぐ終わるから〜」 
「じゃ、秋子さん、いってきます」 
「ゆ〜いち〜」 
「はい、いってらっしゃい」 
「お、お母さんまで……」 
 世界は常に正しき者の味方なのだ。 
「ゆ〜いち〜、ちょっとくら――」 
 
 ばたん 
 
 ドアの向こうがなにやら騒がしいが、特に問題となることは無さそうだ。 
「さて、行くか」 
 雪が解けて乾いたアスファルトに一歩を踏み出す。 
 俺、相沢祐一としての一歩を。 
 わたし、相沢祐璃としての一歩を。 
 足跡すら残らないが、記念すべきこの一歩。 
 わたしの存在が認められてから初めての学校生活。 
 ただそれだけのこと。 
 だけどなんだろう、この胸の高鳴り。 
 嬉しくて嬉しくて堪らない。 
 いつもと何が変わったという訳じゃない。 
 ただ、わたしが居るというだけ。 
 俺は俺だけど、わたしでもあるんだ。 
 それだけのことがこんなに嬉しいなんて。 
「祐一……」 
「何自分の名前呟いてんのよ……」 
「うぉっ……って香里かよ」 
 いつの間に? 
「つーか、何でこんな所にいるんだ?」 
「……名雪を……迎えに……」 
「…………」 
「……始業式に遅刻は、洒落になんないし」 
「……もうすぐ来るだろ。さっき玄関まできてたし」 
 はぁとため息をつく。 
「……あいつは大丈夫だろ。ほれ、行くぞ」 
「……そうね、いきましょうか」 
「手、繋ぐか?」 
 気分がいいのでそんなことを言ってみる。 
「……何を、言っているのかしら?」 
「はっはっは。今の俺はすこぶる機嫌がいいのだ」 
「どういう関係が……」 
「うむ、関係など全くない。香里と手を繋いで歩きたかっただけだ」 
「…………」 
 なにいってんの、あんた馬鹿? という顔をしている。 
「……冗談だ」 
「あら、冗談だったの?」 
「いや、本気」 
「……どっちよ」 
「……よくわかりません」 
「はぁ……疲れるわ……」 
「ならおぶってやろうか?」 
「……それは本気で?」 
「本気と書いてマジで。気分がいいのは本当だからな」 
「……お願いしようかしら……ホントに疲れてきたわ……」 
「なら、ほれ」 
 しゃがんで背を向ける。 
「……じゃ、おじゃまします」 
「おう」 
 香里がしっかり掴まるのを確認して立ち上がる。 
 でも、普段の香里なら絶対断ると思ったんだが……あの日か? 
 少し変だぞ香里。 
 それに恥ずかしいとか、思うだろ? 
 スカートをしっかり押さえ、下着が見えないよう腕をずらす。 
「……香里、おまえって……」 
「体重のこと言ったらぶっ飛ばすわよ」 
「…………」 
「何で黙るの?」 
「いや……なんでもない」 
「何で黙ったのかしら?」 
「いや、ホントになんでもないから」 
「……まぁ、いいわ」 
 はぁ…… 
 香里の体温が背中を通して感じられる。 
 その柔らかな二つの膨らみも。 
 
 ……くそぅ。なんかすごい劣等感…… 
 羨ましいけど、そんなにあったらわたしとしては色々大変だけど、だけど…… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 くそぅ…… 
 
 
 
 
 
「……香里」 
 何でそんなにでかいんだ。 
「…………」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ……寝てる…… 
 
 
 
 
 
「おい、寝てんのか」 
「…………」 
 寝てるな。 
 疲れているのは本当だったのか。  
「まぁ、俺は困ること無いな。恥ずかしいのは香里だけだし」 
 
 
 
 
 
「ゆ〜いち〜」 
 
 
 
 
 
 …………?
 
 
 
 
 
「気のせいだな」 
 
 
 
 
 
「待って〜」 
 
 
 
 
 
 後ろをちらりと見ると名雪が凄まじい勢いで走ってくる。 
「遅いぞ」 
「だ、だって〜」 
 そこでようやく追いついて隣に並ぶ。 
「ふ〜、追いついた〜」 
「うむ、ご苦労」 
 とりあえず労いの言葉をかけてやる。 
「……あれ?」 
「ん、どうした?」 
「それ……香里?」 
「おう、香里だ」 
「拉致?」 
「なんでだ」 
「拉致監禁?」 
「なんで増える」 
「じゃ……どうしたの?」 
「疲れたらしい。いきなり寝た」 
 嘘はついて無いぞ。 
「…………」 
 疑惑の眼差し。 
「ホントだぞ」 
「じゃ、信じるよ」 
 そりゃありがたい。 
「どこまでそうしてるの?」 
「……教室まで?」 
「……それは香里が可哀想じゃないかな」 
「そうか? 俺としてはその方が面白そうなんだが」 
「途中で起こした方がいいよ……」 
「……そうか」 
 既に結構注目集めてたり。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そんなことをしているうちに学校に到着した。 
 クラス分けは昇降口前で発表のようだ。 
「さてさて、俺はどのクラスかね」 
「同じになるといいね〜」 
 ……いいか? 
「ん〜……俺のクラスは……」 
「あ、わたしの名前あった」 
「ん? どこだ?」 
「ほら」 
「おぉ、あるな……って、香里もいるぞ」 
「あ、ほんとだ」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「……俺もいる……」 
「ほんとだ〜。よかったね〜」 
 よかねぇよ。 
「何かの陰謀か……」 
「北川君はどこかな」 
 あいつは……同じクラスにはいないな。 
 
 
 
 
「ん〜」 
「ん〜」 
 次にもいない。 
 
 
 
 
 
「ん〜」 
「ん〜」 
 ここにもなし 
 
 
 
 
 
「ん〜」 
「ん〜」 
 ここにもいない 
 
 
 
 
 
「ん〜」 
「ん〜」 
 このクラスにも―― 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「ん〜……ってどうしたの、祐一?」 
「気のせいだな……」 
「……? 何が?」 
「いや、あってはならない名前が見えたようだけど気のせいだ。うん、気のせい」 
「………?」 
「で、北川はいたか?」 
「…………いないよ…………」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ま、まさか…… 
「マジでか?」 
「……マジ見つからないよ……」 
「よ、よく見とけ。見落としということもあるだろ」 
「そ、そうだよね。そういうこともあるよね?」 
「そりゃそうだろ。あいつ特に何もしてないし、テストだってちゃんと……ちゃんと……」 
「……そういえば……北川君……期末どころか、テストで赤点以外取ったこと無いって……」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「これ以上はやめておこう。探す俺の方が辛い」 
「き、北川君……かわいそ……」 
 とりあえず香里をおぶったまま俺たちの教室に向かう。 
 その二人の背中には悲しみに彩られていたとかいないとか。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 がら、と教室の戸を開ける。 
「…………」 
「…………」 
 見られてるな。 
「名雪、香里の席はどこだ……」 
「あ、うん。え〜と、ここ」 
 そこは二年の時の場所だ。 
「ちがうだろ」 
「え、でもそう書いてあるよ」 
「…………」 
 確かに、黒板にはそう書いている。 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「……俺も同じだし……」 
「あ、わたしも」 
「名雪もか……」 
 陰謀だな。 
「……とりあえず、香里を下ろすか……」 
「わ、まだおぶってたんだ」 
「……何を言っているんだ、おまえは」 
 アホか。 
「手伝ってくれ」 
「うん」 
 なんとか香里を下ろすと一息つく。 
 香里は腕を枕のように寝させた。 
「ふぅ。なんか肩の荷が降りたって感じだ」 
「それって香里が重かったってこと?」 
「言葉通りの意味だよ。実際肩の荷が降りたんだ。香里はかなり軽いよ」 
「……わたしとほとんど変わらないよ」 
「そうか?」 
「そうだよっ」 
「何怒ってんだ」 
「怒ってないよっ」 
「……まぁいいや。ほれ、もう時間だぞ。体育館行くぞ」 
「あ、そうだった。って香里は?」 
 起こすしかないだろう。 
「おい、香里。いい加減起きろ」 
「ん〜」 
「ん〜、じゃなくて。起きろって」 
「そ、そこは……」 
「どこだよ」 
「……祐一、思いっきり起こしたら?」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「仕方ない。あと十秒で起きなかったら、くぞ」 
「…………剥く?」 
「十〜〜九〜〜八〜〜」 
「剥くって?」 
「脱がす」 
「わ、本気で?」 
「七〜〜六〜〜」 
「香里っ、早く起きないとっ」 
「だ、だお?」 
 そりゃ名雪だ。 
「五〜〜」 
「か、香里〜」 
「四〜」 
「剥かれるよっ、祐一に剥かれちゃうよっ」 
「……何が……」 
「三――て、起きたのか」 
 香里は周囲を見渡し、どこよここ、という顔をする。 
「……なんで……?」 
「うむ、その疑問に答えよう」 
「……相沢君」 
「香里は俺の広く暖かな背中で安らかに眠りについた。 
 仕方なく俺は熟睡した香里を背負いこの教室まで来たというわけだ」 
「…………」 
「…………」 
「ここまで?」 
「ここまで」 
「奇異の視線に晒されながら?」 
「どちらかというと微笑ましいものを見守る視線に」 
「…………」 
「不満か」 
「不満よっ。恥ずかしい……」 
 まぁ、俺も結構恥ずかしかったが。 
「それなら香里も一人で歩いてこればよかったんだよ」 
「……それはそうでしょうけど」 
「文句を言うな」 
「言いたくもなるわ……」 
 はぁ、と香里はため息をつく。 
「まぁ、いいわ……ところで、時間は?」 
「わ、そうだよ時間だよ祐一っ」 
「……行くか……」 
 俺たちは教室を出る。 
 と、そこで香里が俺達に話しかけてきた。 
「ねぇ、私はあのクラスなわけ?」 
「そうだぞ」 
「そうだよ〜」 
「あなた達も?」 
「そうだぞ」 
「そうだよ〜」 
「何かの陰謀かしら……」 
「香里もそう思うか……」 
「……そういえば、北川君は?」 
 ぴしりと、俺と名雪は表情が凍る。 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「どうしたのよ」 
「いや、なんでもないぞ」 
「そ、そうだよ〜、なんでもないよ〜」 
「そう? で、北川君は?」 
 
「…………」 
 
「…………」 
 
「どうしたのよ」 
「いや、なんでもないぞ」 
「そ、そうだよ〜、なんでもないよ〜」 
「そう? で、北川君は?」 
 
「…………」 
 
「…………」 
 
「どうしたのよ」 
「いや、なんでもないぞ」 
「そ、そうだよ〜、なんでもないよ〜」 
「そう? で、北川君は?」 
 
「…………」 
 
「…………」 
 
「どうしたのよ」 
「いや、なんでもないぞ」 
「そ、そうだよ〜、なんでもないよ〜」 
「おまえら、いい加減にしろって」 
「あら、北川君」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「何で貴様がここにいる!」 
「うわ、なんだよ」 
「そ、そうだよっ。なんでいるの!」 
「なんでって……いるもんは仕方ないだろ」 
「偽物だね!? 偽物だよ! 祐一、これ偽物!!」 
 ……名雪、お前…… 
「名雪、落ち着きなさいって」 
「なんで!? 何で落ち着けられるの!?」 
「いいから落ち着いとけ。イチゴサンデー奢ってやるから」 
「うん」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「……さて北川」 
「なんだ?」 
「お前……クラスはどこだ?」 
「あ〜そういや、まだ聞いてなかった」 
「……聞く? 見るじゃなくて?」 
「どういうことだ北川」 
「いや、印刷ミスとかで、名前が無かったんだよ。石橋に聞いたら調べとくって」 
「…………」 
「…………」 
「…………」 
「どうしたんだ?」 
 この野郎……… 
「……久しぶりのネタになるかと思ったのに……」 
「ネタって……相沢君、笑いのネタ?」 
「あたりまえだ! こんなことなかなか無いんだぞ……」 
「まぁ、そう無いことは確かね……」 
「な〜んだ。じゃぁ北川君、留年したんじゃないんだ」 
「おまえら、何勘違いしてたんだ……」 
 ぴくぴくと眉を動かす北川。 
 はぁ、つまらん。 
 もう行くか…… 
「あ、祐一まってよ〜」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 無意味な校長の話。 
 
 ……長ぇ……ホントに長ぇ…… 
 
 いい加減立っているのも嫌になる。 
 香里は平気な顔をして立っているけど、名雪は……あぁ、やっぱり寝てる。 
 
 
 
 
 
 立ったまま。 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 名雪……すげぇよ。 
 っと、ようやく始業式も終わりか。 
 あとは帰るだけだな。 
「相沢君」 
 教室に向かおうとしていたところ、香里に呼び止められる。 
「ん、なんだ?」 
「いつものメンバーで百花屋に寄ることになったから、校門前に集合ね」 
「……既に決定事項なんだな」 
「そうよ」 
「……わかった」 
 俺の奢りじゃないことを祈る。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 HRは特に何もなく、無事終了した。 
 さて、校門前か…… 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ちっす」 
 既にみんなは集まっていた。俺が最後か。 
「お久しぶりです、相沢さん」 
 天野か。相変わらずだな。 
「……いま、おばさんくさいとか思いませんでしたか……?」 
「いや? 奥ゆかしい日本女性は俺の好みだぞ」 
「ななななにを言ってるんですっ」 
 あはは、ナイスリアクションだぞ。 
「祐一さん、久しぶりですっ」 
「おう、栞も相変わらずだな」 
 いろいろと。 
「あぅ、真琴もいる」 
「お前はいつも家で会ってるだろ。名雪も香里もいるな、んじゃ行くか」 
「うぐっ! ボクは!? ボクはぁ!?」 
「あ〜はいはい、あゆあゆも久しぶりだな」 
 なでなで 
「うぐぅ……」 
 子供だな。これで同い年か? 
「それじゃ改めて行きますか」 
「あはは〜、れっつご〜ですね〜」 
「……はちみつくまさん」 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
 ………… 
 
 
 
 
 
「なんで佐祐理さんと舞がいるんですか! しかも制服まで着てるし!」 
 ほかのみんなは呆気にとられている。 
「あはは〜」 
「…………」 
「笑ったり黙ったりしてないで、理由を言ってください……」 
 香里じゃないけど、ホントに疲れる…… 
「それはですね、お父様にもう一回高校生をやりたいと言ったらOK貰いまして」 
「……はちみつくまさん」 
「なんでだ……」 
 ホントになんで…… 
「でもその間の生活費と学費は自分で払う事になったんですけどね〜」 
「……いまは二人で暮らしてる」 
「そうですか……はぁ、もうどうにでもしてください……」 
「先輩方は……それでいいんですか?」 
 香里が復活したようだ。 
「あはは〜、問題なしですよ」 
「……はちみつくまさん。……全てはゆうい――」 
「舞〜、それ以上はだめですよ〜」 
「もがもが」 
 頷いている。 
「はぁ……それならいいです……」 
「祐一、二人ともすごいね。もう一回高校生やるんだって」 
「……もう、いろんな意味ですごいよ……」 
「はいはい、それじゃ行くわよ、みんなっ」 
 香里がぱんぱんと手を叩くと今まで固まっていたのも復活する。 
 うぐぅだとかあぅだとかえぅだとか言いながら。 
「……これからどうなるんだろうな……」 
 誰に聞かせるでもなく呟いてみる。 
「なるようになるんじゃない?」 
 香里はそう返してきた。 
 なるようになるか…… 
 みんなの背中を見ながら思う。 
 このままでいいのか、いっそ全てをはなした方がいいのではないか。 
 ……それこそ、なるようになれって感じだな。 
 ばれた時はばれた時。なんとかなる、だろう。 
 
 でも―― 
 
 みんなは赦してくれるだろうか? 
 嘘を吐き続けたわたしを。 
 だまし続けてきたわたしを。 
 
 ――なるようになるか。 
 
「そうだな、そのときはそのときに考えるか」 
 大きく深呼吸をする。 
「祐一〜っ、早く来ないと置いてくわよっ」 
「今行くっての!」 
 そんなこんなで、わたし、相沢祐璃の波瀾万丈な新学期がこうして始まった。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あ、今日は祐一の奢りでねっ」 
「マジでか……」 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
あとがき 
 
ちょいシリアスから一転、ほのぼの〜です 
会話メイン、というか、それしかないですね・・・ 
 
ここで一応、タイトル解説しておきます 
月に叢雲、花に風 ―― 世の中の好事には障害がつきまとうと言うこと 
月は祐一、花は祐璃といったところでしょうか? 
……今、考えました…… 
つぎ、サブタイトルの「わたしに捧げる鎮魂歌」 
正確には「もうひとりの」とつきますが、四章の最後読んだ方は大体分かるでしょう…… 
つぎ、各章のサブタイトルの意訳 
prologue ― プロローグ 
death or imprisonment ― 死か投獄か 
I am not you ― わたしはあなたじゃない 
I bury me ― ぼくはぼくを埋葬する 
sing the requiem ― レクイエムを唄う 
new world! new life! ― 新しい世界、新しい生活 
reckless driving ― 暴走 
といったところでしょうか 
 
 

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