Kanon SS



血塗られた螺旋の絆
第十四話



それは本当に束の間の時間。

狂おしいまでの狂宴の宴。

刹那の時間と共に快楽と狂気の幕は下り、

そして後悔と悲しみ、恐怖と言う名の現実が幕を上げる。



暗闇に包まれた部屋の中、祐一は膝を抱え震えていた。

ベットの隅で膝を抱え、小さな子供の様に震えていた。

そのベット、同じベットの上には、

あられもない姿で眠り続ける二人の女性の姿。

母の様に、妹の様に、家族の様に思っていた二人の女性。

その二人の女性を、昨日、自分の手で、穢した。

その残酷なまでの事実。

それはまるで悪夢の様な出来事。

だが、部屋の至る所に残る情事の残滓が、

断片的に残る記憶が、

そして何より体に残る感触が、

その全てが悪夢などではなく現実だと訴える。

どうしようもないほどに事実だという事を思い知らせる。

もし仮に、これが悪夢なのだとしても、祐一はこの悪夢から決して目覚める事は無い。

決して覚める事の無い悪夢、それは現実と何ら変わらない。

現実だろうと悪夢だろうと、そんな事は然したる問題ではない。

ただ、二人を穢したという事実、その事実が全てである。

そしてその事実が、祐一の心を苛ませる。

全てを闇に包まれた部屋が、カーテン越しに零れる光によりその色を取戻していく。

朝、目覚めの時。

朝の気配を察したのか二人の女性が身を捩る。

そして、二人が目を覚ました時、

その部屋の何処にも祐一の姿は無かった。



雨。

早朝には薄曇の様相を呈していた空は次第にその雲の色を濃くしていき、

ポツリ、ポツリと落ち始めた雨粒は次第にその数を増して行き、

今ではしとしとと断続的に振り続ける小雨模様に様変わりしていた。

その雨の中を、祐一は当ても無く彷徨っていた。

深く項垂れ、人を避けるように人気の無い通りを、

魂の無い人形の様な表様で彷徨い続けていた。

傘も差さず雨の中を彷徨い続ける祐一。

何時もならば煩わしい筈の雨も、しかし今の祐一には心地良く感じられた。

何故なら、身を濡らす雨が体に残る二人の香りを流してくれるから。

二人との情事の残滓を流し落としてくれるから。

自分の犯した罪を、洗い流してくれるような気がするから…。



サ−−−−−−

小雨だった雨は何時しかその勢いを増し、今では本降りになっている。

空に広がる厚い雨雲。

おそらくは今日一日降り続ける事だろう。

その雨の中を、今だ祐一は彷徨い続けていた。

一体何時間そうして彷徨い続けてるのだろうか。

厚い雨雲に遮られた空模様の為、おおよその時刻を図る事も出来ない。

ただ、終わりのない迷路を彷徨うように、祐一は歩き続けている。

そんな時、殆ど無意識に歩き続ける祐一の目に、一脚のベンチが姿を現した。

何時しか祐一は公園に足を踏み入れていたのだ。

何時もなら疎らなりにも散歩をする人々が見られる公園も、朝からの生憎の雨によりその姿は無い。

祐一は暫くの間そのベンチを見詰めた後、

崩れ落ちるように腰を下ろした。

腰を下ろしたと同時に溜まっていた疲れがあふれ出し、

立ち上がる気力を奪われたかのように深く項垂れる。

項垂れた拍子に髪から滴る雨粒が、まるで涙の如く頬の上を流れていく。

確かに祐一は疲れていた。

身も、そして心も。

罪悪感が、恐怖が、悲しみが、

堂々巡りの思考は決して終わりに辿りつく事は無く、

ただ、祐一の心と体を蝕んでいた。

祐一は全てを放棄したかのように項垂れ、ただ雨に打たれ続けていた。



どれだけの時間、俺はそうしていただろうか。

俺は変わらず雨の中項垂れ続けていた。

俺は一体、何て事をしてしまったんだろうか。

それは何時果てる事もない後悔の念。

拭いきれない、拭える筈のない自責の念が俺に重く圧し掛かる。

これから先、俺は如何すれば良いのだろうか。

俺は一体、どうなるのだろうか。

それは決して答えの出る事の無い問い。

しかし俺はそれが出る筈の無い答えだと解っていても、

自問自答を繰り返すほかに為すべき術を見つける事が出来なかった。

俺は雨の中、何時までも自責と自問自答を繰り返していた。

「どうしたの、こんな日に傘も差さないで」

その時、不意に声をかけられた。

その声に、誰も居ないと思っていた俺の体がビクリと震える。

まるで、親に叱られる小さな子供のように。

落としていた視線を少しだけ上げると、雨に霞む視線の先に細い女性の脚が映る。

まさか、秋子さんが…?

憔悴しきった俺の脳裏は、否応なしにその答えを導き出す。

目を覚ました秋子さんが、若しくは名雪が俺を探しに来たのではないか、と。

「ほら、もうこんなにびしょびしょじゃない」

だが、幸か不幸か、俺の考えは外れていた。

俺の肩に添えられる手、そして投げかけられる声。

それは秋子さんのものでは無かったのだ。

そして勿論、名雪のものでも。

秋子さんではなかった、その思いが俺の体を安心感と、そして脱力感となって包む。

その女性は最近知り合った、いや、再会した女性、

俺の姉だと名乗る女性、葛葉さんだったのだ。

葛葉さんの言葉に、しかし俺は何も答える事が出来ず、ただ同じ様に項垂れ続ける。

秋子さんではなかった。

その事に俺は素直に安心した。

しかし、直ぐに次の疑問が俺を苛む。

一体、葛葉さんは何をしに現れたのかと。

本当に、ここで出会ったのは偶然なのかと。

葛葉さんは何を知っていて、俺に何を言いに来たのかと。

束の間の安心感は不安へと変わり、俺の心を苛め続ける。

まるで心臓を、ゆっくり、ゆっくりと、握り潰されて行くかのように。

しかし、

「何か、あったの…?」

しかし、ここで会ったのは本当に偶然なのか、葛葉さんの声からは純粋な気遣いの色しか感じられない。

そして葛葉さんは俺の隣に、雨に濡れたベンチの上にゆっくりと腰を下した。

雨に濡れる事を全く気にした様子も無く。

俺の隣に腰を下ろした葛葉さんは、それ以上何かを問いかけてくる事は無かった。

そして、俺が何かを答える事も。

俺と葛葉さんは言葉を交わす事無く、葛葉さんが差す傘の下、ただ無言で佇んでいた。

サ−−−−−−

今だ降りやまぬ様子の無い、強い雨声。

その雨の中、静かに佇む俺と葛葉さん。

俺が雨に濡れないようにする為、自然と葛葉さんの体が密着する。

長い間雨に打たれ続けていた所為だろうか、

俺の腕に触れる葛葉さんの肌はとても温かく、そして心地良かった。

「家を、出てきたのね……」

尋ねるでもなく、葛葉さんがポツリと呟く。

図星を付かれた俺の体がぴくりと過敏に反応する。

だが、それ以上、葛葉さんは何も聞いてこない。

再び俺達の間に静寂が訪れ、激しい雨音だけが俺達を包む。

ポツ…、ポツ…、

傘から零れる雨の雫が覆いきれない俺の肩に滴る。

触れ合う肌の温もりと対比するかのように、その滴る雫がとても冷たく感じられる。

「ごめんなさい」

不意に言葉が齎された。

それは謝罪の言葉。

『ごめんなさい』と、確かに葛葉さんは謝罪の言葉を口にした。

謂れの無い謝罪の言葉に、俺の思考が停止する。

何故、葛葉さんが俺に謝罪の言葉を?

もはや思考能力など無いに等しい俺には、葛葉さんの言葉は謎以外の何物でもなかった。

だが、その謎は葛葉さんの次の言葉によってあっけなく解明された。

「私の所為で、家を出たのでしょう?

祐一と再会して、貴方と言葉を交わして逸る心を押さえ切れなかったとは言え、

今思えば貴方には、そして秋子さんには随分と酷い事をしてしまったわ。

本当に、ごめんなさい」

そう、確かにそうだ。

今回の事の起こりは、確かに葛葉さんが起因しての事だった。

でもそれは、あくまで事の起こり。

単なるきっかけでしかない。

その根底たる要因は、間違いなく俺にあるのだ。

俺の体に相沢の血が流れる限り、母さんと同じ病に犯されている限り、

遅かれ早かれ、何れは同じ結果になっていたのだろう。

「でもね、私は如何しても自分の気持ちを抑える事が出来なかった。

貴方に姉だと名乗れる事に、貴方と一緒に暮らせる事に、待ち望んだその事にきっと私は狂っていたのよ。

貴方と離れ離れになっていた時間は、私を狂わせるには十分すぎる時間だったのよ。

でも、貴方は私を拒絶した。

私の前から逃げ出してしまった。

私はまた、一人になってしまった。

貴方との再会に舞い上がっていた私は、一気に地獄に叩き落されるような気分だった。

だから私は、あんあ凶行に走ってしまったのよ。

あの後、落ち着きを取戻した私は直ぐに過ちに気付いたわ。

でも、如何すれば良いのか解らなかった。

勇気を振り絞って食堂で貴方に会いに行ったけど、

周りに貴方の友達が居た事もあって結局何も話す事が出来なかった。

本当に…、ごめんなさい……」

掠れる声と、腕に伝わる感触から葛葉さんが項垂れている事が解る。

俺と同じ様に、懺悔する様に深く深く項垂れている事が。

違う、そうじゃない、確かに葛葉さんのした事は許される事じゃないけど、

でも、それ以上に、俺はもっと酷い事をしてしまった。

俺は秋子さんを二度も穢し、そして血に狂った俺は名雪までもこの手で穢してしまったのだ。

血に踊らされ、血に狂わされ、俺は二人の家族を、この手で穢してしまったのだ。

だが、そんな事を言える筈もなく、俺は何も答える事が出来ずにただ項垂れ続けていた。

「これから…如何するの…?」

葛葉さんが、尋ねてくる。

だが、その問いに対する答えを、生憎だが俺は持ち合わせていない。

それどころか、俺自身がその答えを求め続けているのだ。

「私の家に、来る?

いいえ…、貴方の家に、私達の家に、帰らない?」

それは唐突な申し出だった。

「その様子じゃ、あの家には、水瀬の家には帰り辛いんでしょう?

でも、何時までもここでこうしている訳にはいかないわ。

何れは秋子さんも探しに来るでしょうし、警察に補導されれば結局はあの家に戻る事になるわ。

だから私達の家に、せめて貴方の心が落ち着くまでは、私の家で過ごした方が良いと思うの。

遠慮ならしなくても良いのよ。

あの家は、もともと貴方が住むべき、帰るべき家なのだから」

唐突な申し出ではあったが、葛葉さんの言葉は疲れ果てた俺の心に深く深く染み込んで行った。

帰るべき場所、その言葉が俺の心に、優しく、柔らかく広がって行く。

「それに、家にはあの病気の事を調べた書類があるわ。

あの人は、私達の父はあの病気の事をずっと調べていた。

母さんを治すつもりだったんでしょう、ずっと調べていた。

結局母さんは死んでしまって、そこで調べるのは止めたみたいだけど。

でも、その時まで調べた書類はまだ父さんの部屋に残されてる筈。

私は興味がなかったから見てないけど、おそらく今も残されてる筈よ。

それを調べれは、少しは祐一の病を和らげる事が出来るかもしれない。

発作を抑える事が出来るかもしれない」

その言葉に、俺は初めて伏せていた顔を上げた。

俺の病が治る?

治らないにしても、抑えることが出来る?

微かな期待が俺の中に込上げてくる。

見上げた先、見詰める葛葉さんの横顔は何処までも真っ直ぐで、そして真剣だった。

と、その時、流れるような仕草で葛葉さんが振り返り、そして俺達は向かい合った。

その葛葉さんのかんばせは、ただ純粋に美しかった。

真剣な表情で俺を見詰める葛葉さん。

もはや傘は殆どその意味を成しておらず、雨に濡れた服が、雨に濡れ頬に絡みつく髪が、

不謹慎にも俺の鼓動を早打たせる。

「ね、そうしましょう?

せめて、今回の事が落ち着くその時までは」

葛葉さんの言葉に、俺はハッと我に返る。

こんな時に俺は一体何を考えているのだろうか。

恥ずかしさと自責の念に、俺は上げた顔をまた逃げるように下にそらす。

その行動を如何取ったのだろうか、葛葉さんは俺を安心させるように声をかける。

「心配しなくても良いわよ。

もう、襲ったりしないから」

しかしそれは、俺にとってはとてもではないが笑える冗談ではなかった。

「ごめんなさい、失言だったわ」

流石に口が滑ったと思ったのだろうか、気まずそうな声で葛葉さんが謝罪の言葉を口にする。

暫しの沈黙。

そして、静に葛葉さんはベンチから立ち上がった。

「ね、帰りましょう、今はとにかく。

全てが落ち着く、その時まで」

その言葉と共に差し出される細く美しい腕。

俺はその差し出された腕をじっと見詰める。

「でないと、貴方の事が心配で私も帰ることが出来ないわ」

冗談めかした、でも、心からの気遣いの言葉。

俺は差し出されたその腕に、おそるおそる、自分の腕を伸ばしていく。

その腕を、差し出された腕を掴む為に。

この時の俺には知る由もなかった。

全ては葛葉さんによって仕組まれた事だと言う事に。

いや、気づける筈がなかったんだ。

何故なら、俺を気遣う葛葉さんの気持ちは、紛れもない本物だったのだから。

全ては俺の為に、その為に仕組まれた事なのだから。

だから、身も心も疲れ果てていた俺には、真実を見通す事など出来る筈もなかったんだ。

ただ葛葉さんのくれる無償の優しさに溺れていく事しか出来なかったんだ。

そして俺は、その手を掴む。

「そう、良い子ね」

掴んだ俺の手を優しく、しかし力強く握り返す葛葉さん。

その白く美しい腕は闇に差し込んだ一筋の光のようで。

しかし、その腕こそ、俺を更なる狂気の闇に引きずり込むものだとは、

この時の俺には知る由もなかった。



「先にお風呂に入りなさい。

シャワーを浴びて体を温めないと風邪を引いてしまうわ」

家に着くなり、葛葉さんはそう言ってきた。

「私は後で良いから、祐一ほど濡れてもないしね」

そう言って葛葉さんは俺を脱衣所に押し込む。

脱衣所に押し込まれた俺は、しかし反論をする事も出来ず、

言われるままにシャワーを浴びる事にした。

体に叩きつけられるシャワーはとても温かく、

俺は暫くの間、全てを洗い流すようにただじっとシャワーを浴び続けていた。

祐一が浴室に入るのを確認した葛葉は踵を返し歩き始める。

葛葉の向かう先にあるのは、年季の入った黒い電話。

その受話器を掴み躊躇う事無くダイヤルを回していく。

トゥルルルル…

トゥルルルル…

繰り返される発信音。

トゥルルルル…

トゥルルルル…

そして何度目かの発信音の後、

「はい、水瀬です…」

何処か憔悴したような声の女性が受話器の向こうから聞こえてきた。

「………」

しかし、葛葉は何も答えない。

「……もしもし?」

不信気な声で問い返してくる相手の女性。

「……も、もしかして、祐一さん、祐一さんですか!!

どちらに、今どちらに居るのですか?!」

無言の相手を待ち望んだ人物からの電話と思ったのか、相手の女性が声を荒げる。

「私、です、秋子さん」

その様子を嘲笑うかのように、葛葉は名を名乗る。

「く…、葛葉ちゃん?!

どうして、貴女が…」

予想外の人物からの電話に、相手の女性、秋子の声が詰まる。

「!!!

もしかして、祐一さんはそこに居るのね?!

そうなんでしょう、葛葉ちゃん!!」

普段からは考えられないような、掴みかかるような声。

しかし対する葛葉はあくまで冷静に返事を返す。

「ええ、その通りです。

確かに祐一はこの家に『帰って』きました」

心から嬉しそうに、そう呟く。

「帰って、って……」

その葛葉の声とは裏腹に、秋子の声は小さく、そして震えている。

「秋子さん、貴女は少しやりすぎました。

このままでは、祐一の心は壊れてしまいます」

低く、冷たく、そう言い放つ。

「そんな!!私は!!貴女の言うとおりに!!」

秋子の悲鳴のような声を、葛葉の鋭い声が遮る。

「確かに!!

確かに私は、貴女に言いました。

夢を、隠し続けた想いを、果たしたくはありませんか、と。

しかしそれは、あくまで助言をしただけです。

後は全て貴女が考え、そして実行した。

私は助言と、そしてほんの少しの手助けをしただけ」

非は全て貴女にある、そう、吐き捨てる。

「そ、そんな、私は、私は…」

葛葉の言葉に愕然とした声で呟く。

「秋子さん、これ以上祐一には会わないで下さい。

貴女は何も心配する必要はありません。

祐一は私と生きていきますから。

それが、本来あるべき姿なのですから。

それに、これ以上貴女が祐一に係わると、本当に祐一の心は壊れかねません」

冷たく、何の感情も篭ってない声で言い放つ。

「待て下さい!!祐一さんと、祐一さんと話をさせてください!!」

受話器に縋るように秋子が叫ぶ。

しかし、葛葉はその言葉を一向に取り合おうとはしない。

「私の話はそれだけです。

では、これで」

そうとだけ言うと何の躊躇いも無くその受話器は下ろされた。

受話器が下ろされると共にそこから零れていた絶叫に近い声は途切れ、辺りは静けさを取戻す。

何も言わなくなった電話を見詰め、葛葉が呟く。

「今頃、必至になってここに電話をかけてるのでしょうね。

でも、お生憎様、とっくの昔に電話番号は変えてあるわ。

そしてその番号を知る者は、私しか居ない」

用事を済まし、何の興味も無くなった電話から視線を外し、

葛葉は祐一の居る浴室に視線を向ける。

「もう、祐一は何処にも行かせない。

私の傍から絶対に離さない。

この家こそは、祐一の住む家なのだから。

私の傍こそが、祐一の居るべき場所なのだから。

それを邪魔しようとするものは、絶対に容赦はしない。

そう、それが例え、誰であろうとも……」

狂気に燃える瞳と妖しい笑みを残し、葛葉はその場を離れるのだった。



つづく

あとがき

何と言いますか、よくもまあ口が回るもんです。

役者になれますね、葛葉は。

さて、最終目標である祐一の身柄を確保しました。

後はもう、残る女性達を片っ端から落としていくだけです。

祐一が傍に居る分、作戦も立てやすいですしね。

祐一が全てを知った時、その時は全てが終わった時ですが、

果たして彼はどんな行動を取るのでしょう。

全ての終わりと共に、その結果は明かされますが、

今はまだ、それは闇の中に……。