自分の目の前で自分の叔母にあたる人物が、それも若々
しく美しい女性が自身を慰めているのを想像して欲しい。
しかもその女性が自分の名前を呟きながら、物欲しそうな
眼をして自分を見つめてくるのだ。多分、健康な青年男子
10人中9人は確実に相手が叔母であっても押し倒すだろ
う。残りの一人は特殊な性癖の持ち主としておく。いや、
勿論俺こと相沢祐一は普通の性癖の持ち主で、9人の内に
入るだろう事は自覚している。自覚している、のだが。
「苦しいですか? 祐一さん。」
「ぅッ………。」
荒い息を吐きながら目の前の叔母―――秋子さんの顔を見
つめる、というかむしろ睨みつけているのだろう、俺は。
「ふふ…。」
何が愉しいのか、嘲るように微かに笑った秋子さんは再び
行為に没頭し始めた。自慰行為に。

 何故俺はこんな状況にあるのだろうか。そもそもの始ま
りは、秋子さんに起こったあの事故だったように思う。あ
の事故で奇跡的に一命を取り留めた秋子さんは事故のショ
ックからか、どこか沈んでいたように見えた。だから、そ
の後のリハビリにも名雪と共に付き合い、なんとか元気付
けようと俺なりに頑張ったつもりだった。この街に越して
きての短い間に、秋子さんを本当の家族と思えるようにな
っていたのだろう。だから頑張れた。それからリハビリも
順調に進み、秋子さんが家に帰ってきて、今までと同じ生
活が戻ったように思えた。違うところは、俺と名雪が三年
生に進級し、その関係が従兄妹から恋人になったぐらいだ
と思っていた。そして相変わらず名雪は眠り癖の酷いまま
で、秋子さんも俺達の世話を焼いてくれていた。
 だが、それは大きな間違いだった。俺は気付けなかった
が、名雪には解っていたのだろう。秋子さんが俺に対して
親身になって接してくれる度に、名雪は焼き餅を焼くよう
になったのだ。
「う〜祐一、お母さんと仲良くしちゃだめ。」
「はぁ? 何言ってんだお前は。」
名雪が嫉妬しているのは、戻ってきた母親を俺に取られる
のが嫌だとでも言うような子供じみた物だとばかり思って
いた。この時、俺の脳はもうひとつの可能性を思い付き、
それを即座に廃棄していた。多分、これも間違いだったの
だろう。嫉妬の対象が、10年以上も仲睦まじく二人で暮
らしてきたであろう実の母親であるなどと、誰が想像でき
るだろうか。増してやその対象と俺の関係は甥と叔母。バ
リバリに近親相姦な三親等である。確かに秋子さんは文句
無しの美人で家事も完璧にこなし、妻にするとしたら理想
の存在であるという評価にはケチの付けようがない。だが
近親者故の抵抗という一般常識(?)は俺にもあり、自身の
そういった対象として秋子さんを捉えようとは思えなかっ
たのだ。だからなのだろう。秋子さんが俺に親身になって
くれるのは家族としての事で、リハビリで世話になった礼
でもあるのだろうとばかり思っていたのだ。

だが、違った。

名雪はまだ少女と言える未成熟さを多く残してはいたが、
やはり女だったのだろう。戻ってきた秋子さんが俺をどう
いう眼で見ていたのかを敏感に察知し、俺に警告してきて
いたのだ。それに気付き、それとなく予防線を張っておけ
れば―――と、今にして思ったりもするが後の祭だった。
多分、俺に見えない水面下では母と娘の鞘当てもかなりあ
ったに違いない。鈍い鈍いと友人連中に言われても自覚し
なかった俺が、それに気付けず自分の鈍さを初めて痛感す
る事になったのである。

 そして今、折しも夏休み初日の朝。積み重なった何かが
秋子さんの中で弾けたのかも知れない。ひょっとしたら昨
日、風呂上がりにうっかり腰にタオルを巻いただけの格好
でキッチンまで行き、冷やした牛乳を飲もうとしたら鉢合
わせしてしまったのが原因かも知れない。ただひとつ確か
なのは、秋子さんがずっと想いを秘めていたという事。
「朝ですよ祐一さん。新しい、朝です。」
「――あ、秋…なッ?」
秋子さんに揺り起こされて目覚めた時、俺は拘束されてい
た。鎖の部分をベッドの枠に通した手錠か何かを両手両足
填められ、仰向けのまま寝返りさえ打てない。寝る前にか
ぶっていた夏用布団さえなかった。首だけ回してベッドの
脇に立つ秋子さんを見ると、そりゃもう嬉しくてしょうが
ないって感じの笑顔を浮かべていた。それを見た瞬間にす
っごい嫌な予感。
「…何の冗談です? これ。」
頭の上に回された両手を振って、じゃらっと鎖を鳴らしな
がら聞いてみた。が、質問とは裏腹に俺の嫌な予感は最高
潮に達していた。秋子さんの性格を考えれば、何かの冗談
でこういう事をするとも思えないからだ。
「冗談なんかじゃありませんよ、祐一さん。今から祐一
 さんを私のものにするために、同時に私を祐一さんの
 ものにしてもらうために、こうしてるんです。」
俺が口を半開きにして秋子さんの言葉を寝起きの頭で整理
し終わった時、嫌な予感は嫌な確信に変わった。
「愛してます、祐一さん。」
秋子さんが愛を告白しながら顔を寄せてきた。間近で見て
改めて確認できた。秋子さんの浮かべた笑顔は普段の母と
してのものではなく、女としてのものだった事を。
「んぐっ!? んーっ! んんーっ!?」
ある意味で、現実であって欲しくない相手からの愛の告白
に、頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けていた俺の隙を
突き、秋子さんが唇を俺のそれへと重ねてきた。どうせ拘
束されてるのだから逃げようもないが、半開きだった唇に
秋子さんが自分の舌をねじ込んでくるのには十分だった。
身をよじって逃れようとしても、秋子さんの舌が俺の舌を
捕らえて思うがままに口内を蹂躙するのに対して無駄な抵
抗だった。顔を背けて逃げようとしたら先手を打たれて、
がっちりと両手でホールドされちゃってるし。それにして
も一方的とは言え、唇を貪られる感触は決して悪いものじ
ゃない。秋子さんの唇は柔らかく、舌は俺と秋子さんの唾
液を交換しようと情熱的且つ扇情的に動いて熱いし、決し
て香水などではない秋子さん自身の匂いは鼻腔をくすぐっ
てやまない。思わず流されそうになるが、たったひとつの
抵抗を試みる。方法は極めてシンプル。秋子さんの舌に噛
みつく。それだけでいい。
「…っ!」
秋子さんの舌の中程だろうかに歯を立てると、動きが止ま
った。これ以上は駄目だと意思表示をするため、顎にほん
の僅かに力を込める。だが、舌を引っ込めようとする気配
はまるで見られなかった。
「――――。」
息が、止まった。気付けば、秋子さんはすごく、すごく優
しくて澄んだ眼をしていた。このまま舌を噛み切られよう
とも、俺に殺されるならそれでいいとでも言うように、ほ
んの数cmの距離で俺を見つめ返してきていた。秋子さん
が全てを賭けて俺に想いをぶつけてきているのが分かった
から、自然と顎の力は抜けていた。受け入れられたと思っ
たのだろうか、秋子さんの眼に喜びの色が浮かぶと、また
口内を嬲られ始めた。今度は抵抗できない。ズルいと思っ
た。命まで盾にされたらどうしようもない。せめて非難の
色を込めて秋子さんの眼を見つめると、眼を閉じて俺の唇
を貪るのに没頭された。大人の余裕でかわされた気分だ。
本当にズルいよ、秋子さん。そう思いながらも秋子さんか
ら与えられる感覚に流されそうになる。俺の舌に秋子さん
の舌がひたすら絡んだかと思えば、上顎をじっくりとなぞ
られる。歯なんか1本1本丁寧に舐められて綺麗にされて
いくようだ。今「にぃっ」って笑ったら歯が輝くんじゃな
いか? などと馬鹿な事を考えつつ現実逃避気味。まだ口
だけだというのに、脳が痺れそうに気持ちいいから、思考
もかなりアレになってきているらしい。つーか、まだって
なんだよ俺、まだって。断じてこの先の期待などしていな
いぞ? 多分。いや、きっと。うん。まぁ…。
「――ふぅ…。」
「っはぁ、はぁ…。」
十二分に堪能したのか、漸く秋子さんが離れてくれた。や
たら色っぽいため息の下で、呼吸を整える。口が開いたの
で秋子さんを何とか説得しなければ。さもなくば貞操と道
徳の危機。いや、貞操はちょっと違うか。
「秋子さん。何で、こんな事を。」
「祐一さん。私の口はどうでしたか?」
「はい、大変気持ちよ…じゃなくて。」
こんな時まで芸人根性を発揮する自分にちょっと乾杯。
「俺は秋子さんの何ですか?」
「一番愛しい人です……何言わせるんですか、もう…。」
自分で勝手に言った癖に、赤面して拗ねないでください。
こっちも照れますから。って、そうでなくて。
「親族上の続柄を聞いてるんです。」
「…甥、です。」
とりあえずは倫理・道徳観に訴えてみるとしよう。
「そうです。三親等で所謂近親者という奴です。流石に
 マズいとは思いませんか?」
「思いません。」
あっさり否定された。
「何故にっ!?」
「人が人を愛するのに、何か不都合があるのですか?」
「不都合って…母さんや、名雪にはどう言うんですか。」
「胸を張って祐一さんを愛していると言います。」
どことなく不敵に笑いながら断言されちゃいました。
「他人の事なんてどうでもいいじゃないですか。私が
 愛しているのは、他でもない祐一さんなんですから。」
他人て。実の姉や娘を他人扱いですかい。
「…俺を想ってくれるのは嬉しいです。でも、俺には
 名雪もいるし、秋子さんの気持ちには…。」
「御迷惑ですか? 私みたいな、年増女は。」
「いえ、そうでなくて…俺は、秋子さんをそういう風には
 見れないって事ですよ。」
秋子さんは俺にとっては母親みたいなものであって、決し
て恋愛対象ではない…と思うのだが、
「嘘ですね。」
と、秋子さんはあっさりと断じてくれる。
「別に嘘なんて。」
「いいえ、嘘です。祐一さん、覚えてませんか? 私に
 欲情した時の事を。」
「突然、何の話です? そんな覚えは…。」
秋子さんが顔を耳元に寄せて囁いてくる。
「…私が事故から目覚めた日の事ですよ。」
「え? ………あ。」
思い出した。事故後の昏睡状態から目覚めた秋子さんに微
笑まれた時、激しく…なんだその…痛いほどに息子がいき
り起っていて、感動的な場面で隠すのが大変だった事を。
それまで根を詰めていたから、所謂疲れ魔羅という奴なの
だろうと思って自分を納得させていたのだが、今にして思
えばあれほど激しく異性に欲情した憶えはない。よりによ
ってその対象は…。
「っていうか、気付かれてたー!?」
「ええ。随分と不自然に前屈みの姿勢でしたから。」
その後検査があって部屋を引き取ったのだが、我慢できず
に名雪を病院のトイレに引っ張り込んだのまでバレてない
だろうかと不安になったが、その辺は大丈夫そうだった。
秋子さんがリハビリの合間に調べた事によると、女性が弱
っている状況は発情期のそれにも似ており、本能的に男性
を誘惑し欲情させられる場合があるとの事で。
「本能的なものでは仕方ないんじゃ…?」
「ええ。ですが人間の場合は、その異性に対して少なから
 ず、ある種の好意的感情を抱いていないとそうならない
 とも、物の本にはありましたし。」
「…何ですか? つまり俺が、その、秋子さんを…好き、
 だって事ですか?」
秋子さんは俺と眼を合わせて頷いた。断じて否定するべき
なのだろう。だが、否定し切れない自分が確かにいて、俺
は眼を逸らす。
「祐一さんも男の人なのだと意識してから、後でそれが
 私への好意なのだと知って、リハビリを一生懸命に
 手伝い見守ってくれていた祐一さんをいつも見ている、
 そんな自分に気付いたんです。」
「………。」
「そして、名雪の恋人になったと知った時。名雪を……
 抱いてるのを知った時。私は名雪を、実の娘を妬ましく
 思う自分に気付きました。同時に、祐一さんを愛して
 いる事にも。」
「俺は、秋子さんの事…。」
次の言葉が出ない。今、この想いを断ち切らなければいけ
ないはずなのに。
「欲しいんでしょう? 今だって、ほら…。」
「わッ?」
秋子さんの手がパジャマの上から俺の一物をまさぐる。
「こんなに…硬くして、ふふ…嬉しい。私でこんなに硬く
 してくれてるなんて。」
愛は一種の狂気だという言葉があるが、それには頷ける。
確かに、人を変えて狂わせる代物だ。あの秋子さんが眼の
色変えて俺のを撫でたり揉んだりしてるのだから。
「や、やめてくださいよ…。」
そう言って身をよじりながら拒否。だが、それも形だけ。
根本的には下半身の暴れん棒を鎮めればいいのだが、簡単
にはこいつが治まらないのなんて自分でよく知ってるし。
元々の朝の生理現象に加えて、キスだけでも相当キてたの
に直接触られたりしたらひとたまりもない。自分の若さが
ちょっと憎かった。
「嫌です。」
「うわわッ?」
「はぁ……こんなに、熱いんですね…。」
俺の拒否をさっくり断じてパジャマはおろかパンツの下に
まで秋子さんの手が侵入してくる。防衛部隊なんか皆無だ
から、一気に本丸まで制圧されてしまった。自分とは違う
体温を持つ他人の手が触るのは、自分で触るのとはまるで
違う事を実感する。名雪はあんまり自分からしてくれない
からなぁと、ちょっと現実逃避。
「うう…。」
感触と体温を堪能してるのだろうか、秋子さんの手が俺の
棒を包んで緩やかに扱きあげる。まだ混乱している頭のど
こかでは、冷静に秋子さんの手が柔らかくてしっとりして
るってそうじゃないだろなどと考えている。やっぱりその
どこかも混乱してるらしい。と、思ってる部分が冷静なの
だろうか? ただ、頭の中が思考を奪う何かに侵され、徐
々に白くなっていくのは確かなようだった。
「んふ、ん…。」
俺のを握ったまま秋子さんが首筋に唇を這わせてきた。何
度も軽く吸い付きながら下へと進んでいく。そうしながら
残った片手で、器用にパジャマのボタンを外されていく。
気付けば肌着を捲くり上げられていた。熱気を帯びていた
肌が朝の涼しげな空気に少し震える。
「う…ッ。」
秋子さんはその唇を今度は俺の胸に押し付ける。秋子さん
の息遣いを感じ、次に感じたのは舌の感触。舌を伴って唇
が這い回り、這った所が熱いかと思えば残った唾液ですぐ
に空気の冷たさを感じる。不意に秋子さんが身体を起こし
て問い掛けてきた。
「気持ちいいですか? 祐一さん。」
「……!」
その一言で、今されている事が気持ちいい事であるのを思
い出させられてしまった。頭と身体を蝕んでいくのが確か
な快楽であると自覚してしまった。秋子さんに触れて貰い
たい。秋子さんに触れたい。秋子さんを抱きたい。秋子さ
んを犯したい。その願望がある事を認識してしまった。
「どうしました? 祐一さん…ふふ。」
全て判っているとでも言うように笑う秋子さんから、俺は
顔を背ける事しかできなかった。そうしてる間にも、秋子
さんの手が俺のを気持ちよくしようと動いている。
「気持ちいいでしょう? …もっとよくしてあげます。」
「ちょっ…や、やめっ…!」
俺の腰に秋子さんが顔を寄せたかと思うと、ズボンごとパ
ンツを引き下ろそうする。慌てて身をよじっても為す術も
なく欲望に凝り固まった牡の器官を露にされてしまった。
「はぁ……うふふ、素敵ですよ。」
俺のを見た秋子さんはため息をついてから微かに笑うと、
唇を舐めた。その仕草から次の行為を予測し、何か期待め
いた物を抱いてしまう。そして、予測とも期待ともつかな
いそれはすぐに実現した。
「うあッ…あ…ッ!」
両手を添えられて角度を上向きにされた俺の先端に、秋子
さんがキスした。かと思えば次の瞬間には、俺のは秋子さ
んの口内に収められてしまっている。
「………ぅあッ! うう…!」
口内の暖かさと気持ちよさに一瞬思考が真っ白になってい
たが、にわかに俺のを締め付けるように這い回った秋子さ
んの舌によって出してしまった声で、少しだけ自分を取り
戻す。だが尚も続く秋子さんの気持ちいい攻撃に、再び思
考が白く塗り潰されていく。
「んん、んむ…んふっ。」
「うぐ…あき、こさ…んくッ!」
気持ちよすぎる。ねっとりと舌が絡み付いて唾液でぬるぬ
るにされると、鈍い快感が腰から全身へと走る。全体を強
く吸われるのも気持ちいいし、鼻でなされている秋子さん
の荒い息遣いが肌に当たるのさえ快感を助長しているよう
に思えた。名雪は抵抗があるのかいまだに咥えてくれなか
ったという事もあり、行うのに躊躇のない愛撫は、俺にあ
る種の感動を伴った快感を覚えさせ追い詰めていく。
「も、もう、ッく…。」
ここ数日、名雪が生理だったために御無沙汰で溜まりまく
っていたのもあり、あっさり限界が近づいてくる。このま
まだと多分もう10秒も持たないと思ったその時、
「…っふう…ふふ。」
「え…?」
秋子さんが俺から離れた。唇から俺の先っちょに繋がった
唾液の糸を拭いながら微笑む。流石にこんな寸前で止めら
れては、安堵の気持ち以上に欲求不満の方が大きい。
「出したいんでしょう?」
「そんな、事は…。」
俺の心を見透かしたように秋子さんは続ける。
「出して気持ちよくなりたいんでしょう?」
「………。」
魅惑的な誘いに、また顔を背ける事しかできない。
「ほら。」
「あぅッ!」
すると秋子さんが、唾液と先走りで濡れているであろう俺
のを強く握ってきて、またイきそうになる。が、やはりそ
の半歩手前で止められた。強制ではなく、絶妙の生殺し具
合で俺を焦らし、同意を得たいらしかった。
「………ぐッ! ………うぅッ! …………んあッ!」
何度も何度も絶頂の手前で止められ、脳内会議では出させ
てくれるよう秋子さんに頼む案が何度も提出されては否決
されるのを繰り返す。遠からず使徒にマギを乗っ取られて
自爆決議が可決されそうな勢いだった。流石にマズいので
別の案を取ろうとしてみる。
「ぬ、くッ…!」
頼んで出されるぐらいなら、むしろ自分で出してしまおう
とヤケクソ気味な考えで腰を動かしてみる。しかし、そう
しようとしたら秋子さんは手を離してしまい、仰向けに拘
束されている状態ではどこかに擦り付ける事すらできず、
どうしようもなかった。
「ふふ…どうしました?」
こっちの考えを見抜いたのか、秋子さんに無駄無駄ァって
感じで微笑まれてちょっとヘコんだ。…くそぅ。
「意志が強いのも素敵ですけど…仕方ありませんね。」
いや、結構危ういです。などとはもちろん言えない俺の腹
の上に秋子さんが跨ってきた。次はどうされるのかと不安
半分にしていると、秋子さんは両膝をそれぞれ俺の両脇の
横に置いて立て膝になった。何度も言うが不安の他の残り
半分は断じて期待ではない。…既に説得力がない気もする
けどな。
「素直にさせてあげます。」
そう言いながら、着ていた白いYシャツのボタンを上から
外し始める。すぐに藍色の下着が見えた。裾をスカートか
ら出して完全にシャツの前をはだけると、プチンとフロン
トホックを外してブラまでもはだけてしまう。
「どうです? 綺麗…ですか?」
最高です。と、思わず即答したくなるほどに美しい胸がそ
こにあった。たわわに実り成熟した果物のように大きく丸
く、そして柔らかそうだった。思わず記憶の中の名雪のと
比べてみても、明らかに目の前の方がいいものだった。そ
れをこね回しながら俺の眼前に近付けつつ、
「…素直になったら、好きにしてもいいんですよ?」
などという凄まじい誘惑をしてくるのだから恐ろしい。辛
うじて顔を逸らせたが、直にそのたわわな乳を押し付けら
れようものなら間違いなく理性が崩壊するところだった。
…何度もしつこいようだが、そういった事を期待してなど
いない。うるさい、言い訳の方がしつこいとか言うな。
「こんな風に、ん…ふ。」
「ぬぅ……。」
豊満な胸の先にある桜色の乳首を自分でつまんでいじった
り、押し潰すようにしてから指先で弾いたり、胸全体を含
めて揉みほぐしたりして、秋子さんが官能に顔を歪める。
目の前で形を変える柔らかそうで―――実際にはとんでも
なく柔らかいだろう―――美味そうな果実にむしゃぶりつ
きたくなるが、何とか残ってた理性がそれをグッと堪えさ
せる。
「はぁ、はぁ…それにこっちも…」
呼吸も荒く秋子さんが身を起こし、夏らしい淡い水色のス
カートのお尻の方から両手を入れると、ブラと同色の下着
を俺の胸の上まで引き下ろした。後ろから見たらきっと秋
子さんの桃のようなお尻が見えるはずだ、って想像してる
場合ではない。膝の広さに合わせて横に広がった下着はそ
の部分が既に熱く濡れていて、俺には訳の分からない危機
感ばかりが募る。
「祐一さんの好きにして…」
秋子さんが徐々に、徐々にスカートの前をめくり上げてい
く。今ならば理解できる。ストリップは女性が脱いでいく
過程を愉しむものだという事が。…だーかーらー、愉しん
でなんかないっつーの。さっきから誰に言い訳してるんだ
ろう、俺。
「いいんですよ…?」
そうやってついに露になった秘所に、俺は目を釘付けにさ
れてしまった。
「よく見えますか? こっちは…綺麗ですか?」
最初の感想は「親子でも形が違うんだな」だった。次に目
を引いたのは薄い茂み。夏だからか、手入れがなされてい
るのかも知れない。そして、既に僅かに開いて潤っている
秘唇。俺に触れただけでこうなったのだと思うと、複雑な
気分になる。…くれぐれも嬉しかったり心苦しかったりが
8:2の割合だったりはしないからそのつもりで。
「もっと、よく見てくださいね。」
俺が何も言わないからか、秋子さんは片手でスカートを押
さえると、もう一方の手で自分の秘唇を割り開いた。人指
し指と中指で広げられた綺麗なサーモンピンクの肉の中心
に穿たれた穴、膣までもがよく見える。ここから名雪が、
赤ん坊が生まれたのだとは思えないほど小さい。そう思っ
て女性の神秘さに感じ入る。だがそれ以上に、健康的な牡
としては目の前の牝を何よりもまず犯したい衝動に駆られ
るが、それでも俺の中の道徳心はそれを許そうとしない。
拒絶もできず、かといって目を逸らす事すらできず、危う
いバランスで俺の心は揺れていた。最初は拒絶できてたの
に、何時の間にか葛藤になってる辺り、我ながら流されて
るとは思うが。
「私の気持ちよくなるところも…見ててくださいね。」
そう言った秋子さんの中指がちゅぷっと音を立てて第二関
節の辺りまで膣に潜り込む。
「ん…ふあッ、あッ!」
一拍置いてから根元まで中指を挿れると、膣内で動かして
いるのだろう、秋子さんの艶めかしい声が上がる。同時に
親指でもぷっくりと膨らんだ肉芽をこりこりといじってい
る。余す事なくオナニーを見せつけているのだ。俺に対し
て、目の前で、あの秋子さんが。
「ッはぁ、はぁんッ! ゆぅ…祐一さぁん…ッ!」
不意に視線を上に向けると、秋子さんが何かを求めるよう
に俺を見つめていた。
「祐一、さん。」
視線を合わせて俺の名前を呟かれた時、名雪が一瞬浮かん
で消え去り、俺の中で何かが壊れた。どうしようもなかっ
た。どうしようもなく、秋子さんが望む通りに、秋子さん
を求めていた。或いは、俺がそうしたいがためだけに。
「…ぁ………ぃです。」
「…なんですか?」
俺が呟いたのを聞き取ろうと秋子さんが顔を寄せてくる。
今度はハッキリと言った。…言って、しまった。
「秋子さんが、欲しいです。」
「…ふふ、ようやく素直になってくれましたね。」
にんまりと秋子さんが笑う。俺は既に秋子さんにブチこむ
事しか考えていなかった。考えられなかったのに。
「でも、まだ駄目です。私を拒んだ分、祐一さんにも我慢
 して貰いますから、ね?」
「なっ…!」
いや、「ね?」 じゃなくて。突然理不尽なおあずけを食
わされて少し暴れてみる。が、手錠は無慈悲に俺を拘束し
続けた。
「ぐっ…ぐぐぐ、ぐぅっ…!」
「あらあら。手首を痛めてしまいますよ。」
どこか愉しげに秋子さんはあがく俺を眺めていた。やがて
俺が無駄を悟って大人しくなると、秋子さんはまたオナニ
ーに耽りだした。
「あはッ、ふぅぅッ、んッんッ…。」
スカートが落ちるのも構わずに上の方にあった手で胸を揉
み始める。落ちたスカートに隠れたそこからは、くちゅく
ちゅと音が聞こえてくる。それに喘ぎ声が重なり、俺を欲
情させようと煽っているかのようだった。自分の一部を痛
いほどに硬くする事しかできない俺に、不意に秋子さんが
問いかけてきた。
「苦しいですか? 祐一さん。」
「ぅッ………。」
荒い息を吐きながら目の前の叔母―――秋子さんの顔を見
つめる、というかむしろ睨みつけているのだろう、俺は。
「ふふ…。」
何が愉しいのか、嘲るように微かに笑った秋子さんは再び
行為に没頭し始めた。自慰行為に。何故俺はこんな状況に
あるのだろうか。そもそもの始まりは、秋子さんに起こっ
たあの事故だったように思う…って最初に戻ってどうする
か。混乱はいつの間にか錯乱にスリ変わっていたらしい。
とにかく、俺はもう限界に達していた。このまま焦らされ
続けるたら発狂するかも知れないと、本気で思った。幸い
にも、そうなる前に秋子さんの方に限界が来たようだ。
「はぁ、はぁぁ…もう駄目です。」
秋子さんも自身の欲情を堪え切れないのだろう。時々身体
を震わせて、もうすぐイきそうなのも見て取れる。そして
シャツの胸ポケットから、金属製の小さな箱のようなもの
を取り出した。よく見ると透明な蓋の中に赤くて丸いボタ
ンが付いている。自爆スイッチか核ミサイルのスイッチか
? などと、漠然とありえない事を思う。
「…それ、は?」
「んっ…手錠の、鍵です。その手錠はこのボタンを押すと
 外れるようになってるんです。」
ある意味、俺の核ミサイルを発射するためのスイッチだっ
た。なんでそんな手の込んだものを。まぁ、秋子さんなら
何を用意していても不思議じゃないけど。赤いボタンを俺
に見せるように手に持つと、蓋を開いてボタンに親指を掛
けて、秋子さんはじっと俺を見つめてから口を開いた。
「………私が、欲しいですか?」
それはきっと最後の確認。俺は秋子さんを見据えながら、
頷いて答えた。
「私も、祐一さんが、欲しいです。」
秋子さんの指に力が入る。カチッと音がした後で、俺の手
首と足首の辺りからガチャンと金属音が響いた。そっと腕
を動かしてみると、何事もなかったかのように手錠は俺を
解放した。それを確認して秋子さんの胸に手を伸ばす。
「あん…。」
思った以上に柔らかく、手に吸い付いてくるような素晴ら
しい感触を堪能している間もなく、秋子さんの身体を足の
方へと押し倒し自分の上半身を起こす。足の方の手錠も既
に外れており、そのまま身体を引いて手早く秋子さんの下
から抜け出し、今度は俺が覆い被さった。
「ゆう…ん、ぅんんッ!」
何か言いかけた秋子さんの首に手を回し引き寄せ、唇を強
引に奪って今度は俺から舌を差し入れる。自分の舌を秋子
さんのそれとひたすら絡めようとするだけの稚拙な深いキ
ス。秋子さんもそれに応え、舌を絡ませてくる。その間に
空いた手が先ほど堪能できなかった果実の感触を愉しむ。
もっともこっちも獣欲ばかりが先走って、ロクに愛撫など
と呼べる手付きでもなかったと思うが。
「ん、んッ…は…ッ、んふぅッ。…ぷはっ。」
どちらともなく鼻からくぐもった声が漏れ、唇を離して息
を継ぐ。俺は身体を後ろにずらして空いている乳房を口に
含んだ。母から与えられる生命の水を求める赤ん坊のよう
に、強く強く吸い付く。
「はぁッ! あふ、ん…くぅ!!」
硬い乳首の先を舐め回し、豊満な果肉に歯を立てて噛りつ
いた。離れてみると少し歯形が残っていたし、それなりに
秋子さんは痛かったのだろうが、気にかける余裕もない。
更に身体をずらして、秋子さんの膝の上辺りに残っていた
下着を脚から乱暴に引き下ろそうとする。片脚を抜いた時
点で用は足り、大きく脚を開く。重力に引かれたスカート
をまくると、なんの抵抗もなく俺の前に秋子さんの全てが
さらけ出された。自分でしていた事で、より一層ぐちゃぐ
ちゃに濡れていたそこを見て、思わず唾を飲み込む。
「はふ…み、見られひッ…んはぁッ!」
何か言った秋子さんを遮るようにむしゃぶりついた。吸い
付いて後から溢れる蜜を味わった。舌を食い込ませて秘肉
の感触を愉しんだ。肉芽を前歯で引っ掛けてその度に跳ね
る肉体の反応に悦んだ。
「ひぅ…うぅんッ! …祐一さん、もう…もう…!」
秋子さんの言わんとするところを理解し、はち切れそうな
自分自身をその場所へあてがう。ここで残っていた一欠片
の理性が俺の動きを止める。避妊もロクにせずにすれば、
そしてもしも秋子さんとの間に…その考えが俺の動きを止
める。それが判ったのか、秋子さんが
「来てください…大丈夫、ですから。」
そう言った。その言葉が俺の最後の理性を砕いた。
「は! …あぁぁぁッ!!」
「くぅ…! 秋子さん! 秋子さんッ!」
秋子さんの脇腹を掴み腰を突き入れ、ついに秋子さんとひ
とつになった。秋子さんの膣内はどろどろで、俺の精液を
絞り取ろうとしなやかに締め付けてくる。あまりの気持ち
よさに身体が震えるのを止められない。名雪よりも格段に
気持ちいいと思える膣内の最奥目掛け、秋子さんの名前を
叫びながら俺ので貫いた。
「だめぇ…もうだめぇ!」
奥まで届いたら腰をためて、突いて、ためて、突いて、そ
こで膣が急にキツくなった。散々焦らされたのが効き、あ
っさりと限界を迎え、思わず背筋が反り返る。まるで精を
より奥まで届かせようとするかのように。
「イクッ! イッ、イクぅぅぅッ!!」
「秋子ッ…さぁんんッ!!」
亀頭が爆発したのかと思うほどの、いまだかつて出した事
のない量の精液が弾ける。「ぶびゅるるッ」という音が聴
こえたかのような錯覚するほどで、いつの間に腰の方に絡
み付いてきたのか、秋子さんの脚にも気付かぬほどの絶頂
だった。くらくらと目眩がしてゆっくりと身体を前に倒し
ていく。その間にも何度も射精していた。
「はぁぁ…祐一さんのが、んッ、いっぱい…幸せです。」
「うッ、うッ、んッ…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…。」
溜まっていたとは言え、異常とも思える量の精液にちょっ
と驚きつつ、息を荒げて秋子さんの上に倒れ込む。体重を
掛けないよう秋子さんの身体の脇に腕を置くと、シーツを
強く掴んで絶頂を過ごした秋子さんの手が背中に回され抱
き締められる。自然と体重が秋子さんに掛かるが、気には
していないようだ。間近で突き合わせた秋子さんの顔は真
っ赤だった。多分、俺もそうなのだろう。お互いの荒い息
が顔に掛かる。
「はぁ、はぁ…んむ…。」
気が付けば唇を重ね、舌を絡め合っていた。絶頂の余韻で
ぼーっとしたまま腕と脚で抱き締められ、繋がったまま秋
子さんの唇を貪った。
「ん…んん…。」
一度何もかもを吐き出したのが効いたのか、思考に少し余
裕が戻ってきた。少し奇妙に思ったのは、あれだけ出した
にも関わらず、いまだに俺のが萎えずにいて、胸の奥では
煮えたぎるような秋子さんへの情熱が盛っている事。重ね
ていた唇を離して少し考えてみるが、答えなど出るはずも
なく、改めて幸せそうな表情の秋子さんを見ると、もっと
したい気持ちが溢れてしまいそうだった。それが欲望から
なのか、愛情からなのかも判らないままで。
「好きにしていいんですよ…?」
あっさり溢れた。…だってしょうがないじゃん。こんな至
近距離であんなに優しく微笑みながら、こんな事言われた
りしたら。
「秋子さんッ。」
「あぁッ、はぁんッ! 祐一さんッ!」
秋子さんの肩を掴むと、抱き締められたままの身体を揺す
って奥の方を何度も小刻みに突く。俺の精液が混じってぐ
ちゃぐちゃになっても、秋子さんの膣内は凄まじく気持ち
いい。だが、次の放出までには結構な余裕があり、それま
でこの快楽を味わっていられるのだと思うと、自然と笑い
が込み上げてきてしまう。さっきはただ獣欲に任せて強引
に貪るだけだったが、今度は秋子さんの様子を見ながら動
けるだけの余裕もあった。
「ひんッ! んッ! そッそこぉッ!」
奥にあるくぼみ。子宮口なのだろうそこを突かれるのがい
いらしい。見えない場所に感覚だけで狙いを定める。
「あぁッはッん、ゃぁッあッ!」
やはりいいのだろう。より強く秋子さんがしがみついてく
る。貫いている秋子さんに抱き締められるのが、秋子さん
が俺を求めて乱れているという実感が、俺をより一層に昂
ぶらせた。
「秋子さん、好きです! 秋子さんッ!」
口を突いて出た言葉に驚いたのは、秋子さんよりも俺の方
かも知れない。同時にどこかで「ああ、やっぱり」とさえ
思えた。言葉と共に溢れた想いが止まらなくなる。気付け
ば流れていた秋子さんの涙さえ愛しい。
「秋子さんッ! 好き…好きですッ!」
「ふぁッ、私ッも…んむぅ…!」
少しでも自分の気持ちを伝えようと、唇を唇で塞いで舌を
絡め、秋子さんの口の中をそれこそ隅々まで舐め回す。秋
子さんの匂いが口の中に広がっては、愛しさが溢れた。そ
の内に、また精液が込み上げてくる。できれば一緒にイき
たいとも思うが、さっきみたいに直前まで互いが昂まって
でもいなければ無理だとも思えた。が、ふと秋子さんの瞳
を見ると不思議と全てが解った。通じ合ったという方が適
切だろうか、互いにもうすぐイクのが解ったのだ。あとは
併せるだけでよかった。最後の一突きを子宮口に決める。
「んッ…んぅーッ!!」
「…………ッ!!」
秋子さんの手がパジャマの背の部分を強く握り締め、脚が
俺の身体を引き寄せ、舌がキュッと絡んで、膣圧が高まっ
た。それだけで俺も限界に達し、子宮口に密着させたまま
で何度も射精した。一回目には及ばないが、それでも普段
よりも大量の精液が出たように思える。
「…んッんん…。」
秋子さんの膣に射精している。その事実が俺の脳に溶ける
ような快感を覚えさせる。悦楽の余韻で脱力感に襲われ、
頭を脇にそらして酸素を取り込もうと息をした。秋子さん
もそうなのだろう、背中の腕がずるりと離れてベッドの上
に落ちた。何気なくその手に自分の手を重ねると、指を互
い違いに握り返された。

「…今なんと?」
「ですから、今日が排卵予定日ですので確実に出来てると
 思いますよ。祐一さんと、私の、赤ちゃんが。」
 …騙された―――? ガクーンと崩れ落ちて床に手を突
く。結局それからも何故か元気で秋子さんとヤリまくって
しまった訳だが、既に夕方になってしまっている。回数は
もはや覚えていない。
「うう…大丈夫だって言ったのに…。」
「ええ、大丈夫ですよ。祐一さんの赤ちゃんを生む準備は
 できてますから。」
半ば詐欺ですよ、それ。これからの俺の人生が全く違う方
向へと逸れていくのを思いつつ、涙が出そうになった。
「それじゃ行きましょうか。」
「…どこへ?」
「準備はできてるんですよ。祐一さん。」
そのまま秋子さんに聞いた事のない国の大使館まで、電車
やら飛行機やらを乗り継いで連れて行かれ、その国に揃っ
て帰化する事になった。三親等までなら婚姻が認められて
いる国らしい。その場で婚姻の手続きも申請される。手続
きが終わるまで数日かかるらしいので、近場のホテルに宿
泊。やっぱり同じ部屋だった。挟んで貰ったり顔で受け止
めて貰ったり膣で受け止めて貰ったりと、極めて退廃的な
数日間を過ごした後、日本人じゃなくなって帰宅。秋子さ
んはかなり前から準備を進めてきたらしく、某国への帰化
は元より自分の排卵日、名雪の生理や俺が遠出できるまと
まった休日など、全てが噛み合う日を狙ったらしい。しか
も確実性を上げるために、あの日の前日の俺の食事にエピ
オス錠まで混ぜていたという。…どおりで変に出ると思っ
たら。とりあえず生涯この人には逆らえそうもない事だけ
は解った。

 半ば流されるままに秋子さんと入籍してから家に戻って
みたら、あれから名雪は数日も寝っぱなしだった。事情を
話したらグーで殴られた。いまだに俺をお父さんとは呼ん
でくれない日々が続いている。



おわれ



あとがきっぽい
秋子さんのエロを書きたいがためという純粋な衝動に突き
動かされて書いた作品。
(天声:どこが純粋なのか。)